宇宙ゴミ=デブリ除去で手を携えるアストロスケールとオーエスジー。中部ニュービジネスが「宇宙開発の大問題とビジネスチャンス」を企画

オーエスジー株式会社

オーエスジー株式会社

「IDEA OSG1」と岡田CEO

  •  宇宙のごみ=デブリの存在を教えてくれたのは、岡田光信アストロスケールCEOであり、デブリ除去の支援サポートに乗り出したのは、大沢二朗オーエスジー常務-2人を繋ぐ「構図」は筆者の中では定着していたが、中部ニュービジネス協議会は2月8日、オンラインで再び、2人を結び付け「宇宙開発の大問題とビジネスチャンス」と題して、ビジネスへの考え方も含めた企画へと「昇華」させた。

 

 

  •  地球の周りを4万個の物体が飛び回っている。うち9割がデブリだそうだ。
  •  「70年前、宇宙ゴミはゼロだった。人工衛星が打ち上げられるなかで、各国が打ち上げた衛星ロケット同士が衝突し散らばった破片がデブリ。今後も、大量の打ち上げ計画が具体化される見込み。今や、デブリ除去の課題は、G7でも取り上げられるようになってきている」と岡田CEOは語る。
  •  課題と何か?創業以来、常に意識しているのが「課題=あるべき姿−現実」と言う方程式。2000万円を元手に立ち上げたアストロスケールは、日本のみならず、イギリス、アメリカ、シンガポール、イスラエルなどにも拠点を擁し、陣容も200人以上を数えるまでに発展。デブリ除去をはじめ、点検・観測、衛星の軌道修正といった「軌道上サービス」を模索している。
  •  実現のための方程式として「実現=思考×行動」を唱える。
  •  岡田CEOは「活動資金集めは凄く大切。オーエスジーとの出会いは、2015年のパリの航空ショー。その後、本社を訪問して、当時の大沢会長にアタックした」と振り返った。
  •  その具体化が、オーエスジーが総力を挙げて部品製作に協力した「IDEA OSG1」というデブリ観測用衛星だった。世界で初めて衛星に企業名が冠され、オーエスジーという名前が刻まれたことは記憶に新しい。
  •  大沢常務からは、1938年創業の、タップ、エンドミル、ドリルなどを手がける総合工具メーカーであることの紹介や顧客として、自動車、航空機、金型などが挙げられ、ワールドワイドで7000人が働く現状を概説した。
  •  想像から創造へ-からは「パラダイムシフトを見逃すな」と説き「たとえば、歯科業界。技工士による手加工から、スキャニングを通じた製作への転換」「テスラの購入に自動車の未来!内燃機関がない」と続く。「昨年には、新たな被膜開発のために合弁会社を立ち上げた。宇宙分野も市場として想定できる」との展開も。
  •  「パリの航空ショーで岡田CEOに出会い、宇宙ゴミが深刻な状態になっていることを知った。帰国して、その内容を当時の大沢会長に話すと、即決で協力していこうと決まった」そうだ。
  •  未来は、つくるもの、と断言する。

パラダイムシフトを見逃すな、と説く大沢常務

パラダイムシフトを見逃すな、と説く大沢常務