売り上げベースで2019年比同等とは言え、取り巻くコスト高で利益圧迫される ケミック・蓼沼社長インタビュー

株式会社ケミック

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蓼沼社長

  •  4月~10月で括れば、ケミックは、売り上げベースで、コロナ禍前の2019年比同等にまで回復してきていると言う。
  •  蓼沼社長は「通期で見ても、売り上げは今の水準で『着地』できるかと思う。が、原材料はじめ、輸送コストの高騰や品不足が半端なく利益面を圧迫してきており、現時点で製造への影響は出ていないが、今後はわからない」との不透明感を指摘する。
  •  ただ、この先行きは、ケミックのみならず、今や製造業全体を押し包んでいると言ってもいいだろう。近視眼的には捉えがたい。
  •  だからでもあろうが、創業から53期を迎えているケミックに対し、蓼沼社長は、長期視野に立った舵取りの重要性を説く。
  •  「100年企業を目指す。そのための人材の採用を意識して、業界のみならず、一般向けレベルでのアピールも追求しながら認知度を上げていきたい」としつつ「切削油業界の地位向上も併せて課題に挙げていきたい」との抱負を語る。
  •  ケミックの強みは「個別の顧客に寄り添った製品づくりができる」点にあり「異なる要望に沿って具体化できる」柔軟性にアドバンテージを見出せる。
  •  「自ら掲げたのは『ユーザーファースト』。困りごとを聞き出し、開発に活かし、製品として具体化していく、この積み重ねであり、働き方改革にプラスして、私の唱える働きがい改革の骨格とも言えるスタンスだ」。
  •  蓼沼社長はバブル末期、名古屋で営業マンとしてスタートしたものの、業績不振から閉鎖の話がトップから示された。
  •  「この時、掲げたのが『ユーザーファースト』だった。私なりに勝負に出て、1年後、売り上げが3倍になり、閉鎖の計画を白紙に戻した」。
  •  営業部長から、2015年に社長に就任。以来「ケミックが向かうべき行き先を示してきた。6年経って、ようやくその場所が見えてきた。今後はさらに近づけるようにしていく」。