碌々産業がAfterJimtof 開催。微細加工技術報告など、需要動向を指摘。

碌々産業株式会社

碌々産業株式会社

Vsionの概要説明に聴き入る参加者

 

  •  碌々産業は12月6、7の両日、静岡工場で「AFTER JIMTОF 2018」を開催。ユーザーおよそ80人が参加するなか、海藤社長による微細加工を取り巻く環境の概説をはじめ「微細加工技術のご報告」や「Vision‐300と機上測定」などの発表のほか、工場見学等を実施した。
  •  冒頭、海藤社長は「JIMTОF来場者は、15万8000人と過去最高を記録。ただ、直近では、9月以降、中国需要で『ペンディング』『様子見』が増えてきており、米中貿易摩擦の『25%問題』がクローズアップされてきている。
  • その他のエリアは概ね順調」と景況をなぞりながら「自動車産業が変革期に入り、また、IoTの進展、特に通信スピードが『G5』へと変わり100倍になっていくことで、サーバーの容量を増やす(100倍)必要性が高まるなか、半導体産業の活況が予測できる」「時計や医療機器などの微細部品がクローズアップされ、微細マーケットは全体として拡大していく一方」との需要動向に言及した。

 

  •  微細加工の技術報告では①超硬合金への直彫り加工②平面に対する鏡面加工③鋼材・電極材への鏡面加工④今後の取り組み‐がテーマとなった。
  •  ①では、振動の少ない主軸の必要性→高精度高速微細加工機へのニーズ、碌々産業の取り組みのひとつとして、市販品にはない鏡面加工用高精度PCDボールエンドミル「BRIGHT‐1」や荒加工専用のCAMソフト「RR‐Mill」の活用による、加工時間の短縮、工具費削減の実現が注目された。
  •  ②では金型材への平面部に切削痕のない鏡面加工ニーズが高まる中、スタバックス材では難しかった超硬への置き換えを提案し、切削痕のない加工を可能にした。
  •  ③では、工具自体の面粗度が反映されるため、進化した鏡面加工用工具「Luminas‐E」の適用のもと、R6・0まで広がったことが報告された。
  •  ④では、光学系鏡面加工技術やガラス成型技術、工具開発への取り組みが掲げられた。

 

  •  今年のインターモールド大阪で初披露された「Vision」。荒~中仕上げ~仕上げまでを1台で対応できるレンジの広さが最大の特徴の新製品。
  •  径16ミリのエンドミルによる重切削から鏡面仕上げまで、この1台で担え、わたり工程をなくし、省スペース化も射程に捉えた。振れを抑制した新型主軸の採用、室温追従型機体温調システムといった熱変位対策、さらに面粗度Ra6ナノメートルという驚異のレベル、その範囲も拡大させている点についても、参加者から注目を集めた。

 

  • 機上測定の「ソフト・機械・タッチプローブ」の一括提案

 

  •  工程内検査、加工品質の安定、追加工での修正‐というニーズに対する機上測定。段取り替えを省けるため、精度確保に直接、影響する。
  •  「当社では、測定ソフトウエア、高精度微細加工機、高精度タッチプローブをセットで」との提案が行われた。  工場見学では、機械を常にベストな状態で維持できるよう管理する、JIMTОFでも紹介され、ホットな話題を呼んでいる「AIMachine Dr.」の説明も。
  •  「温度センサーを機械に搭載。36項目をセンサリングして、5秒単位でモニタリング。この記録そのものが大切で、予防保全や早期トラブル解決にも寄与するものと確信している」。

 

AFTER JIMTОF 2018

AFTER JIMTОF 2018