第4四半期で挽回、黒字化に成功したダイジェット工業決算(連結) 標準工具が牽引して増収増益に

ダイジェット工業株式会社

ダイジェット工業の2022年3月期決算(連結)によると、売上高は、80億6700万円、営業利益は1千万円、経常利益は1千900万円、親会社株主に帰属する当期利益は6千400万円となり、増収増益の結果となった。
 「海外、国内の標準切削工具が回復傾向を辿った」そうだ。
 国内外の連結売り上げでは、国内が前期比12・6%増の40億9100万円、海外向けが同22・1%増の39億7600万円で、海外が伸長。その比率も49・3%と50%に迫った。
 製品別では、切削工具が64億5700万円、塑性加工用工具で9億300万円、超硬素材が6億9300万円。切削工具の社内シェアが、年々、アップしてきている。
 営業利益の推移では、第3四半期までは、赤字を計上したが、最終の第4四半期で黒字化に成功した。
 主な新製品で、特に好評を得たのがソリッドコーティングドリル「ストライクドリル」や5軸加工用工具「縦横無尽シリーズ」が挙げられた。
 2023年3月期の連結予想については、売上高89億円、営業利益4億円、経常利益4億円、親会社株主に帰属する純利益は2億8000万円とした。

 ダイジェット工業は、高能率加工用工具「ヘプタミル」にワイパーインサート、超硬コーティングドリル「ストライクドリル」に面取り刃付きをそれぞれ追加し、ラインナップを拡充した。
 ワイパーインサートが追加されたのは、ヘプタミルHEP形。名前の通り、7コーナの使用ができ、最大切り込み深さが5ミリ、切れ刃最大切り込み深さは12ミリまで可能。形状部荒加工においてエアカット時間を短縮し、高能率加工を実現していく。
 全周研削(H級)のワイパーインサートはワイパー刃の大R形状と良好な切れ味により、優れた仕上げ面精度を確保。同時に径方向の当たり面を大幅に増大させることで強固なクランプを実現し「ヘプタミルHEP形」による荒~仕上げ加工まで対応可能だ。
 一方、面取り刃付きのストライクドリルは、穴あけと面取りが一度にできることで工程短縮をはじめ、低スラスト力で良好な食い付き性を示し、安定した穴径精度と長寿命を実現。 さらにクーラント穴付きを使用することで、ステンレス鋼の穴あけ加工が可能になる。
 M4~M12タップ下穴用をラインナップし、M4~M6はC1まで、M8~M12はC1・5までの面取りが可能となる。
 2製品とも、このほど発売を開始した。