フクダ精工がテーパーエンドミルの新たな商材を総研磨でトライへ、牧野製MG30が活躍

フクダ精工株式会社

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MG30を扱う栃沢部長

フクダ精工が、牧野フライス精機製工具研削盤「MG30」を導入して、半年が経過した。設備した目的と現在の役割を中心に、オペレーターでもある栃沢匠製造部長に聞いてみた。

フクダ精工は、Tスロットカッターを中心とするカッターとエンドミル、他に建設、橋梁、車分野向けのボルト製造用金型、トリミングダイスなどを手がけている。材質はハイス鋼だ。  MG30導入の直接の経緯を聞いてみると「ボールエンドミルのR加工で、従来は同じく牧野製『CNR』を活用してきたが、老朽化が著しく、『振れ出し』が、なかなか取れない。リピートオーダーしようにも、同機は既に廃盤になっていた。また、ボールエンドミルの製作で、30R、40Rと大きくなってもMG30なら対応可能、との話を聞き、発注することになった」と言う。

大きなRの依頼は、注文もある程度あったものの、刃長、シャンクともに長くなれば、従来は対応すらできなかったという経緯もあった。

「MG30は、旋回軸に中心を置かずとも加工ができる。つまり自由度が高い。Rサイズが大きくなっても、十分に対応可能になった」。今年の1月から本格的に稼働開始した。 「プログラムが対話型なので、機械の特性をあまり知らなくとも外径は?Rは?を聞いてきて、それらパラメーターを入力するだけで操作できる。しかもプログラムの内容が豊富。ただ、何と言っても、(導入によって)我々が享受できる一番のメリットは、入力した段階で、どのような工具ができあがるかシミュレーション画像で確認できる機能を備えていることだろうか。良ければ、そのまま商品の完成まで導ける」。

R精度は+-0・025ミリ以内に収まる。従来機では難しかったと言う。MG30では、メタルボンド砥石を使用している。自社で成形ができ、形状の保持もいいからだそうだ。

「砥石の位置データが間違っていなければ、同じ品質のものが安定してできあがる。また、カッターでRの付いたものは、従来は断っていたが、対応できるようになったのも大きな魅力だ」。  岩崎秀明社長によると「代理店とのお付き合いの中で、今まで提供でき得ていなかった2枚刃高角度のテーパーエンドミル(片角25度、及び30度)を4枚刃規格同様にこのMG30を活用して総研磨で仕上げていく。新製品と殊更、大げさに言うつもりはないが、痒いところに手が届く、全13サイズを追加し、精度の高い品質でお届けしたい」。

MG30が担う役割、その可能性が次第に広がりを持ち始めている。今後も注視していきたい。

 

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MG30導入後も現場で活躍するCNR

 

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フクダ精工の工場内

 

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栃沢製造部長