最も神経を使うのは、欠品への対応。サカイの上半期は、緩やかに上昇。
酒井社長
切削工具の専門問屋である、サカイの酒井社長に面談し、今期に入った1月以降の業績、特徴的な工具の動きなどについてヒアリングを行った。
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「上半期比では、業績は前期よりも緩やかに上昇を辿ってきた。工具の動きでは、位置決め、面取り、溝入れ、ねじ立て・・・と、用途別工具の引き合い、受注が目立ってきており、被削材では非鉄系、高硬度系の比重が高まってきているかと思う」。
特に要望されなくとも、高精度仕上げへのニーズは、織り込まれている、とも。
工具の原材料高騰、品不足が深刻化しつつあるのも昨年来からの懸案事項だろうか。
「電気や物流コストの上昇も無視できない。まさに諸般の事情で、(工具の)価格改定が余儀なくされている。ハイス工具関連の値上げ発表は、ここに来て一段落し、6月、7月受注分からの価格改定実施が多い。超硬工具は、これから、本格化していくものと予測する」と工具の値上げを射程に入れつつ「ただ、今、最も神経を遣っているのが欠品への対応だ。原材料の調達が今以上に困難になってくれば、工具の生産計画を直撃してくるだろう」。
最近のニーズを付け加えるなら、特殊品需要、試作依頼が増えてきたようだ。
「切削工具専門問屋の本領発揮といきたい。下半期は、お役に立てる機会を逃さずに活動を展開できればと思う」。