奏効するタングフォースキャンペーン。今期は15%以上の伸び。12月からソリッドマイスターのキャンペーンスタート‐タンガロイ

株式会社タンガロイ

株式会社タンガロイ

木下聡タンガロイ社長

 

  •  今期、内外合わせて15%以上の伸びを示しているタンガロイ本社を訪問した。2ケタの伸びを築き上げている原動力は何か。木下聡社長に面談し、好調さの背景をはじめ、新たな戦略製品であるソリッド工具リリースの意図やグループ内のシナジー追求のあり方などを今号で紙面化した。

 

 

  •  「好調な売り上げを支えているのは『倍速切削』を掲げて昨春から展開している、タングフォースキャンペーンの市場浸透力だと思う。産業で見れば、自動車各社の協力企業の海外進出に伴うニーズへの対応、一言でまとめれば客先の海外展開でコスト競争力をサポートでき得たことが特に大きく影響し、結果として、シェア拡大を図ることができた」。
  •  海外売上比率は現在、65%であるが、現地ローカル企業の伸びも大きいことから、今後も、海外は拡大傾向を辿ると予想する。
  •  「リリースしている製品群では、材料やコーティングの性能アップも大きく寄与しており、強度の高い母材、耐摩耗性に優れる皮膜、粒子の均一性、そしてシャープな刃先形状・・・と、トータルな技術的進歩を具現化させている」。
  •  11月1日にリリースされたソリッドマイスターが、その市場浸透目指して12月1日からキャンペーンに入った。
  •  「インサート式やヘッド交換型では難しい、ソリッドでしか追求できない①径②L/D③刃数‐という主要3点で、他社に勝る技術に到達したことからソリッド工具の販売に踏み切った。6Dでもビビらず、刃数で7枚刃というのもある。チタンやインコネルといった被削材別もラインナップした。現時点では、径1ミリ~径25ミリまで、305アイテムを取り揃えている」。

 

  •  ソリッドマイスターは、すでにイタリアで販売実績を積みつつあるそうだ。
  •  「当グループは、開発から製造、販売まで自己完結型を採っている。視点を変えたシナジーとも言えようが、イスカル、インガソル、テグテックという主要3社とは市場で競合している。一方で、全グループ13社とマーケット情報をシェアするなど、直接的な協力体制も構築している。事実、新製品のソリッドマイスターでもグループ力を借りて具体化でき得ているパフォーマンスがある」。
  •  国内1600人、海外750人が働き、製造は90%が国内、10%が海外。来年は、新たに30人の採用を予定している。
  •  「2018年は、産業別では、航空機産業の伸びへの対応、特にティアⅡ・Ⅲクラスまでを見据えたすそ野の広がりにコミットしていきたい」。