「自動化・省スペース・不良率低減」への想定外のニーズ実感(羽賀社長)

株式会社 東陽

株式会社 東陽

来場者4000人を軽く突破した

  •   来場者4100人、成約金額370億円という成果を残し、「E‐monoMEGAMAX2017」が幕を閉じた。

 

  •  「来場者が4000人を突破したのは、10年近く前に遡る」と羽賀象二郎社長。  「リーマンショックの影響が直接響き、家族連れで来場できる展示会を企画した」と、当時を振り返るが、現在の状況とは、大きく異なる。
  •  羽賀社長が客先を回る中で感じるのは、「危機感」。大きく変化する自動車業界では、これまで確実視されていた受注が見込めない状況になってきたからだ。
  •  「『自社の製品が次世代車に採用されるのか、されなかった場合どうすればよいか』。今回の展示会は、こうした危機感が来場者数に反映したように思う。すなわち、『今の仕事をより価値あるものに』との思いで新しい何かを求め、足を運ばれたのではないか」と、分析する。

 

  •  さて、今回は、客先の困りごとを吸い上げ、「自動化・省スペース・不良率低減」という3つのキーワードに集約し、これらの要求に対応する展示会を模索。特に「ロボットには何ができるのか」を追求した。  会場では、「デンソーウェーブのスカラロボットが来場者の注目を集めた」そうで、コンパクトなため省スペースに資するという点が注目を集める理由となった。太陽工機の超小型研削盤「USG‐1」も省スペースという点から好評を得たらしい。
  •  また、不良率低減という面では、グローイングのサイクロンろ過装置「ダスキャッチ」、oneAの「ポカよけシャッター」など、3つのキーワードを象徴する製品群が好評を博し、「自動化・省スペース・不良率低減に対するニーズの高さは、想定を超えるものだった」と、羽賀社長は語る。
  •  自動化については、「労働力不足に対して、政府レベルでの対策は様々あるが、切迫した現状に対してはロボットで対応する以外にないし、同時にチャンスとして捉えている。近い将来、客先に応じたロボットの提案ができる体制を構築したい」との考えを示す。

 

  •  ここで話題は、前期の業績に。
  •  「結果としては、前々期と同水準となった。しかし、昨年末までは、前々期割れの見通しとなっていた」という。昨年秋頃から今年春頃にかけて、海外向け設備の狭間の時期となり、これが影響した。  しかし「今年に入って工具の販売が好調を見せ、設備の穴を埋める結果となった」。
  •  海外は、「北米は高原状態で推移しているが、更なる伸びは難しい。その一方で、メキシコは、今後も伸びを見込める。欧州は、政治的混乱はあるものの、経済は安定し、堅調に推移している」。
  •  「インドネシアは、自動車販売台数がアセアン地域で最も高く、良い状態と言えるが、頭打ちになっているという指摘もある」という。
  •  「タイは元気がない。客先では人件費が高騰し、しかも人の出入りも激しく人材育成が課題となっていると聞く。インドでは、価格競争が激しく伸び悩んでいる」。

 

  •  最後に、アイシングループの事業再編について。
  •  「事業再編は順調に進んでいるが、まだその途上にある。再編を通して、新規の顧客を獲得していきたい」と展望を語った。

 

羽賀社長

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