DMG森精機が「奈良商品開発センタ」を披露。
本社機能もここに。

DMG森精機株式会社

DMG森精機株式会社

森社長

DMG森精機は、7月から稼働スタートした、グループ最大のDX構築と先端技術の開発拠点である「奈良商品開発センタ」(以下、奈良PDC)について、森社長出席のもと、8月29日に報道陣に披露した。
 JR奈良駅前の好立地で「50年の借地契約のもと、着工した」(森社長)と言う、奈良PDCは意匠性に優れ、その威容はホームからも望める。総工費およそ50億円~60億円を投入し、メインの実験室を1、2階に配置。稼働と同時に名古屋から本社機能も移転された。これに伴い、東京グローバルヘッドクォータとの二本社制となった。
 説明に当たった森社長は「京都にも30分圏内であり、社内的な連携と言う点では、伊賀、奈良とのシャトルバスを30分間隔で運行し、強化を図っている」そうだ。
 好立地を生かした産学連携を含めた技術者交流の推進のほか、関西だけでなく、全国の優秀な人材を採用するための拠点としても機能させていく考えだ。
 DMG森精機は、ユーザーおよそ15万社、稼働する機械は30万台と言うスケールで、現在、6か国15工場で年産1万台を数える。機械単体の販売から、トータルな客先仕様を具体化したシステム販売の強化で、客先の平均単価を3000万円から5000万円へと押し上げてきているのも要注目だろう。
 「NTX500と言う機種は、今後の(当社の)開発の方向性を示す機種であり、連携するロボットを選ばない。シーメンスでも、ファナックでも対応可能だ(森社長)」との紹介も。
 今後の商品開発について森社長は「工程集約の必要性の高まりから1台の機械で対応できることが望まれる。しかも切削ばかりか研削、さらには計測、自動化をも見据えた方向性を展望したい」との考えを披歴した。
 その後、奈良PDC内を案内され、主軸、モータ、制御盤といった要素技術の実験場やAM開発の試作現場も目の当たりにした。
 大学との共同研究では、奈良女子大学・工学部と連携し、工学系の人材教育に資する実習の場の提供も行っている。
 DX化の観点からは、手作業、加工プロセス、アフターサービスと言った領域にも踏み込んでいく方針だと言う。
 これまで本社機能を有していた名古屋の拠点は、グループであるDMG森精機セールスアンドサービスの本社となる。

奈良商品開発センタに導入されている設備群
奈良商品開発センタに導入されている設備群

DMG森精機奈良商品開発センタの外観
DMG森精機奈良商品開発センタの外観