牧野フライス製作所から、超短パルスレーザ加工機「LUMINIZER LF400」の販売をスタート

株式会社牧野フライス製作所

株式会社牧野フライス製作所

LF400

牧野フライス製作所は、超短パルスレーザ加工機「LUMINIZER LF400」の販売を開始した。切削加工や放電加工では対応できない、より固くて脆いワークの加工や、より微細で複雑な形状への加工に対応する。スイス・シノバ社との技術提携による従来機種、水ジェットレーザ加工機「LB300」「LB500」(2020年11月月発表)に新たにラインナップされた。
 新機種「LF400」の特長は、①超短パルスレーザ(フェムト秒レーザ)を用いるため、熱拡散を低減し、変質層やクラックを発生させず、微小形状の対象が加工できる②2軸、5軸のガルバノスキャナの搭載により、加工内容に適したレーザ制御を行うことができる。“コーナーR”がその例③高精度位置決め技術を活用しており、長時間安定した加工を実現④操作性にも優れる-。なお、従来機種「LB300」「LB500」は、水の筒の中をレーザが通ってストレートにワークを加工するもので、パルス幅はナノ秒、ノズル最小径0・2ミリで、微細加工にはやや不向き。一方、新機種「LF400」のパルス幅は照射時間が極めて短いフェムト秒、ノズル最小径0・03ミリで、「LB300」「LB500」とは「まったく別物」と言う。
 「LF400」は、12インチの半導体をひとつのターゲットとしているため、機械軸移動量を大きく取った( X軸×Y軸×Z軸=370×370×200ミリ)。加熱に強いスタイルと設計、位置決め精度も±1μ以内と高いのが特長。なお、ワークサイズに比例して加工時間が長くなるが、繰り返し位置決め精度を同じ±1μ以内にすることで高精度安定的な加工を約束している。
 現在、半導体関連産業および医療機器分野での拡販に取り組んでおり、今後はモノ自体に撥水機能や浸水機能を備えるための技術開発を目指す計画。技術開発担当は、「レーザ加工機は従来顧客である金型・部品メーカー向けの機械とは異なる。マシニングセンタや放電加工機ではできない領域をカバーする機械として投入する」と意気込む。売上目標は初年度10台、以降、漸次増産予定。価格見込は1億円以上(加工スペックおよび加工対象物によって異なる)。