高硬度鋼用超硬ボールエンドミルにロングネックタイプ追加したOSG

オーエスジー株式会社

オーエスジー株式会社

開発を担った川口さん

  •  加工革命を引き起こすプレミアムな存在でありたい‐との妥協なき信念から繰り出されるオーエスジーの「A」ブランド。タップをはじめ、ドリル、エンドミル、スレッドミル・・・と工具種の横展開が豊富にラインアップされるなか、本紙4月号では、2枚刃ロングネックタイプが加わった高硬度鋼用超硬ボールエンドミルについて再考してみたい。

 

 

  •  昨年のメカトロテックブースに、新製品について若き開発者から直接、説明あり、との広報担当者からの案内で足を運ぶと・・・
  •  高硬度鋼用超硬ボールエンドミル‐荒加工用の高能率型4枚刃「AE‐BM‐H」、高精度仕上げ用2枚刃「AE‐BD‐H」‐とあった。説明に当たったのは川口さんという方で「ポイントは表面処理。対応硬度は55HRC~70HRC。デューロレイという高硬度鋼向けのコーティングを施し、寿命を大幅にアップさせた。シャンク精度、R精度にも配慮した」と力説した。
  •  特にコーティングについては、SiC含有の超耐熱層と超微細ナノ周期積層構造によって、高い耐熱性と耐摩耗性を併せ持ちながら、優れた靭性を発揮すると言う。
  •  個別に見ていくと、荒加工用の高能率型4枚刃「AE‐BM‐H」は、強スパイラル形状で、切削抵抗を低減し長寿命の安定加工を実現。先端部中心の2枚刃で平坦部の加工時はむしれを抑制し、加工面精度を向上させ、優れたボールR精度で荒から中仕上げまでの適応が可能だ。不等分割でビビリ振動の抑制にも効果的という。
  •  一方、高精度仕上げ用2枚刃「AE‐BD‐H」は、可変ネガスパイラルギャッシュで先端部は強ネガでチッピングを抑制し、外周部に向かって弱ネガで切れ味を確保しつつ、弱ねじれと組み合わせ耐チッピング性を向上させている。さらに優れたボールR精度とシャンク精度、コーティングの平滑化で加工面精度についても向上が図られている。
  •  そして新戦力の仲間入りを果たしたのがロングネックタイプとなる。
  •  「高精度仕上げ用2枚刃ロングネックタイプ『AE‐LNBD‐H』。高硬度な金型などの加工で、優れた耐久性を発揮し、長寿命を実現していく」。
  •  強バックテーパによって「点」での切削となり、ビビリが抑制され、欠け防止、加工面精度を向上させている。
  •  3タイプがラインナップされたことで、高能率荒加工から高精度仕上げ加工までをカバーできることになる。セットでのトライアルもお勧めしたい。

 

ロングネックタイプの強バックテーパによって「点」での切削のイメージ図

ロングネックタイプの強バックテーパによって「点」での切削のイメージ図

 

 

高硬度鋼用超硬ボールエンドミルシリーズ

高硬度鋼用超硬ボールエンドミルシリーズ

 

 

高硬度材加工ワーク

高硬度材加工ワーク