日進工具がステンレス加工分野で差別化—不等分割・不等リードの“Z”エンドミル本格販売へ

日進工具株式会社

日進工具株式会社

不等分割・不等リード採用など、ビビリ抑制、高能率加工を実現していく

 

  •  メカトロテック会場で、小泉部長に面談し、新製品のSUS用高能率〝Z〟エンドミルを中心に、最近の話題をまとめてみた。

 

 

  •  米中貿易摩擦による「負の因子」は日進工具の景況にも関わってきているようだ。
  •  「客先の仕事量を考えると、工具需要の後退は、特に中国の影響が大きい。とは言え、ものづくりが途絶える訳はなく、もう一段、下降していくとは思えない。これからの上昇感を期待したい」を小泉部長は語る。
  •  主要顧客である金型メーカーでは、プレス型は基本的に堅調で、樹脂型は総じて良くない、とも付け加えた。
  •  「差別化のポイントは、長寿命であり、高精度にあることに変わりがない。当社では現在、刃径6ミリ以下の工具は、シャンクの径公差がマイナス1000分の1から1000分の3のレンジで製造しており、刃径公差では100分の1以内というレベルだ」。
  •  メカトロテックでのアピールの重点は、このほどリリースされたSUS用高能率“Z”エンドミル。
  •  「今回のメカトロテックを機に本格販売に踏み切る。市場の新たな創造という役割も期待できる新製品で、ステンレス加工で結果を出していく。従来、6ミリ以下の小径では高能率化が困難と言われていたこの領域で、我々はメリットを追求していきたいと思う」。
  •  ブースではも加工実演を行いながら積極的なPRを。
  •  「とにかく、ステンレス加工の概念を変えていきたい。びびりを抑え、加工時間の大幅な短縮を実現させていくことに狙いがある。商社の方からも、ヒット製品の予感がする、との嬉しい指摘も頂いた。意を強くして販売に当たっていきたい」。
  •  “Z”エンドミルを少し、詳細に見ていこう。
  •  ▽不等分割・不等リードの採用によって、共振を抑え、びびりを防止していくことで工具寿命が伸び、加工面品位が向上。振動測定では従来品に比べ、大幅に安定、しかも同じ切削条件で折損までの加工時間が従来品60分に対し、430分と言う結果を得ている。
  •  ▽ステンレスの側面加工、溝加工、ドリリングによるアプローチに対応した多機能な性能を実現する新開発の特殊刃形状の採用。
  •  ▽高剛性なレギュラータイプ(MSUSZ440)刃径1ミリ~6ミリ・全62サイズと被削材への干渉を防ぐロングネックタイプ(MSUSZ440‐LN)刃径1ミリ~6ミリ・全33サイズの2タイプをラインナップ。
  •  ▽耐熱性の高い無限コーティングプレミアムを採用し、長寿命で安定した加工を実現。
  •  「現場に戻られ、従来からのステンレス加工に向き合い、精度や寿命に不満足を感じたとき、当社のブースでの説明と実演を思い出して頂けるのでは、と期待する」。

 

SUS用高能率”Z”エンドミル

SUS用高能率”Z”エンドミル

 

メカトロレックでは、随時、Zエンドミルのデモ加工を展開した

メカトロレックでは、随時、Zエンドミルのデモ加工を展開した