イワタツールがタイで新たな工場建設に着手。早ければ来年1月中。

株式会社イワタツール

株式会社イワタツール

タイでは、早ければ来年1月中にも新工場建設に着手する

 

  •  センタードリルや特殊工具を中心に、アジア市場全域に対応しているイワタツールのタイ工場が新たに生まれ変わる。
  •  岩田社長によると「当社のタイの有力代理店であるFactory Maxグループのテックセンター隣接敷地内に、早ければ来年1月中の着工を目指す。1階から5階で構成し、1階~3階までが生産スペース。4階、5階は管理部門等を配置していく。延床面積で、およそ3000㎡。設備機械の導入計画もほぼ、固まった」と言う。
  •  タイ工場の生産能力アップは、アセアン地域の需要に本格的に応えるとともに、本社工場ではハイスペックな工具づくり、試作、開発へのウエートが高まっていくことに通じる。
  •  視線を日本本社に移すと「牧野精機やロロマティックなどの生産設備が新たに現場に据えられ、急速に生産量が拡大するなか、新人の登用もあり、品質のキープ、向上に腐心している。また、品質に影響を与える機械の管理に関わるクーラントの一括対応は、建屋の建設を終え、これから配管工事に取りかかる『集中クーラント棟』で、濾過機や集塵、精密空調といった高精度対応と環境面での刷新と併せて展開、集約していく計画」だ。
  •  試作や開発を進めていくうえで、工場内が「静か」というのは必要条件になる。ファンモーターやポンプ類で発生する「騒音」を生産工場から断ち切っていくという考えだ。
  •  「今後の開発の方向性はやはり、GPドリルやトグロンシリーズなどに体現される、特定用途向けの『深掘り』。ドリル主体からエンドミルや他の工具種への横展開も視野に入れている」。
  •  だが「新たな工具設計、生産の仕組みづくりについては、一朝一夕にはいかない」とも岩田社長は指摘する。
  •  特殊工具の試作、開発に関して、ワルター製マイクロ導入を決めたようだが、この点について「ツールスタジオというソフトウエアを活かしていきたい。小径工具への応用という点でも、その可能性を追求していきたい」とコメントする。  全般に通じることだが、まだ、まだ、納期の不安定性が業界全体を捉えている。
  •  「ユーザー、販売店、代理店・・・と、いろんな層から『先行発注』が多くなってきたことが大きな要因に挙げられる。特にユーザー層レベルからの先行発注需要が顕著になってきた。加えて機械の手当てが厳しくなってきている状況下で、生産性に直接、影響する加工スピードアップに寄与する高付加価値工具へのニーズが高くなってきたことも関係しているだろう」。 今、最終需要地という括りで見れば、イワタツールの工具の半分は海外で使われていると見る。
  •  たとえば、アセアン全体が好調になれば、日本人出張者が増え、日本の工具が売れるという図式からくるニーズも影響しているだろう。
  •  「2019年は、新製品を形にしていく年と考えている。JIMTOF秘密の部屋での顧客からのリクエストなどを参考に何をリリースしていくか、再検討している最中だ」。

 

イワタツールの「秘密の部屋」

イワタツールの「秘密の部屋」