中国最大規模の超硬メーカーCBセラティジット・アモイ工場訪問。丸棒素材、耐摩耗品それぞれ増産体制の着手

有限会社セラティジット ジャパン

有限会社セラティジット ジャパン

ショールームを案内、説明に当たってくれた郭玲玲さん

 

  • 台湾で開催されていたTIMTОS訪問後、超硬丸棒素材をはじめ、耐摩耗製品や金型関連の生産も手がけるCBセラティジットの中国・厦門・アモイ工場に栄工舎安部川社長、コイズミツールの小泉社長、小泉専務とともに顔を出した。
  •  出迎えてくれたのは、幾度となく来日し、日本の顧客回りをしている郭玲玲(リンリン)さんで、まずはショールームを案内してもらいながら、同社の歴史を説明頂く。  「1973年(昭和48年)に台湾で創業。日本の優れた技術と設備を導入し、品質向上と企業経営を進めてきた。2002年(平成14年)にセラティジットグループと合弁。中国国内では名実ともに最大規模の超硬メーカーに成長した」という経緯だ。
  •  ショールームでは、原材料を含んだ鉱石の展示品をはじめ、木工や金属関連向けに製造している超硬素材のサンプル、世界中に拠点を網羅している取引大手や独自技術を備える顧客等を紹介してもらった。
  •  その後、工場長とともに第一工場、第二工場へと足を運ぶ。
  •  「耐摩耗製品を扱う第一工場と、押出し製法で幅広い種類の丸棒素材を手がける第二工場を合わせて、従業員はおよそ1000人。向き合う産業は、自動車、航空宇宙、鉱山・掘削、電気・電子、新エネルギーなどがメインを占めている」と言う。
  •  最初に案内された耐摩耗製品を扱う第一工場では、成型加工品やスリッターなど、多岐にわたる産業用チップのほか、電子や航空宇宙産業向けの特殊品も目を引いた。
  •  「原材料の受け入れ、検査を経て、自動プレス、焼結といった流れとなるが、原材料の検査が一番重要となる。日産5万個以上、非常に多品種で、ロット数は基本的に1個、2個の世界。工場を拡張し、6月には新しい焼結炉2台導入して、増産に対応していく計画」だと言う。
  •  同社の主力製品である丸棒素材を手がける第二工場では、外径1ミリ~42ミリまでの標準素材のほか、成型加工、特殊ヘリカル冷却穴などの形状も対応可能、さらに最大外径62ミリまでの能力も備える。
  •  「最初は少量で試しながら、カーボン量をコントロールしつつ確認しながら作業を進めていく。焼結炉は、最大1・5トンまで焼結可能。焼結時間は30数時間から48時間が一般的だ」そうだ。
  •  第二工場でも設備増強を実施し、月産300トンにまで増産していく予定となる。需要は中国国内向けが40%、海外が60%を占める。
  •  当初、顧客サービスでスタートした金型工場は「カメラなどのレンズ、スマートフォン・ケースといった金型用成型品のほか、自動車関連のネジ・パンチ用、さらに国内を始め、諸外国からのニーズで製缶用金型も手掛けるようになった」と言う。
  •  工場内は清潔で、整理整頓が行き届いており、女性スタッフの活躍が目立った。

 

CBセラティジット幹部(左‥リャオ総裁、ペンキ—CEO)の出迎えを受けた

CBセラティジット幹部(左‥リャオ総裁、ペンキ—CEO)の出迎えを受けた

 

各製品までの流れ

各製品までの流れ