自動車に関連する金型需要発生、2017年度は過去最高記録に比肩―岡本ヨーロッパ

株式会社岡本工作機械製作所

株式会社岡本工作機械製作所

現地代理店スタッフととともに記念撮影。武貞社長はラテン系の市場が伸びたと説明する

  • 前回のグラインドテックから2年ぶりの再会となった、武貞明宏岡本ヨーロッパ社長に面談した。2009年の着任以来、この6月で丸9年を迎えると言う。
  •  「2017年度は、過去最高を記録した2015年度に比肩する。自動車に関連する金型需要が顕在化、欧州全体がいい状況にあるが、なかでもイタリア、フランス、ポルトガル、スペインといった、ラテン系諸国からの反応が良く、市場そのものが拡大している」と振り返る。政府による補助金の活用も、フォローの風を吹かせた要因に挙げられた。
  •  「機種で見ればUPZシリーズの売れ行きがいい。航空機メーカーの現場にも据えられ、実績を積み上げつつある。汎用機も好転し始めている。なかでも、トピックス的に紹介したいのが、前回のJIMTОFから販売スタートした円筒研削盤UGMが、イギリスのメーカーに初納入されたことだ」。
  •  欧州市場全体が活況と捉えられよう。だが、そうなると、自ずと競争も激しくなってくる。
  •  「トータルな販売網再編の検討ほか、機種的な差別化追求の視点から、門型の大型研削盤販売の模索、複合研削盤への注力といった、付加価値の高い提案を通じて、逆にシェアップをこれまで以上に図っていきたい」との抱負を語る。
  •  欧州市場全体を見渡したとき、社内シェアで最も高いのは、ドイツであることに変わりはない。
  •  「だが、私が着任した頃は、ドイツが80%~90%と圧倒的だった数字が、今では40%。当社の研削盤が周辺諸国にも広がっていき、新規が増えてきたことを物語っている」。
  •  周辺諸国への広がりについては「使い勝手の良さ」が指摘された。
  •  「アイコンだけのNCソフトを採用している。たとえ文字が分からなくとも、『絵』で判断ができ、使いやすい。また、スキルがさほど高くなくともメーカーの推奨に準拠して操作すれば、扱えるように工夫してもいるからだ」。
  •  ドイツ国内の代理店は9社、欧州全体では30社を数える。
  •  「当社のスタッフはサービス7人、営業5人、総務関係が6人の計18人体制。アフターフォローの観点から、サービス要員2人の増員を計画している」。拠点はフランクフルト近郊の「ランゲン」と北ドイツの「へアフォード」にある。
  •  「今期は、過去最高を予測している。が、可能にするための『ステップボード』は、需要の高いロシアにおける販売にあると考え、強化していきたい」。

 

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