ワルタークラブが設立30周年迎えたGESAC訪問。超硬丸棒素材は年間5千トン生産

GESAC

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集合写真

  •  ワルター製工具研削盤ユーザーで構成するワルタークラブ・アジア研究会は、6月6日から3日間、GESACの中国・厦門工場(超硬丸棒工場)訪問を含むツアーを企画した。
  •  GESAC Japan(日本金鷺硬質合金)が昨年3月に設立され、超硬丸棒素材の販売に着手、日本市場での浸透に努めているが、参加した各社は、特殊を含む中堅工具メーカー、再研磨メーカーとあって、今後の取引を念頭におくためにも、しっかりと工場を見学し、管理の在り方や設備の状況を把握して「安心を得る」機会として活用したかったようだ。

 

 

  •  GESACは、世界最大のタングステン粉末工場を擁する、国営のXTCグループが60%の株を有する中核企業で、1989年に設立され、今年で30周年を迎えた。場所は中国・東南沿岸部最大の厦門経済特区に位置する。
  •  ワルタークラブ参加各社との面談の冒頭で挨拶したGESACの呉董事長は「超硬合金の生産量は年間7000トンで、うち超硬素材の生産量は同5000トンにのぼるが、2012年からは、ソリッドやインサートの切削工具の生産も行っている」と説明しながら「今後、日本の各社と緊密な関係を築いていきたい」と述べると、クラブを代表して小泉副会長(コイズミツール社長)は「(端午の節句という)3連休にも関わらず、応対頂き、感謝している。貴グループは、鉱山や精錬工場を含む、総合的な取り組みを実践されている。我々、日本企業と良好な関係が築けるよう、祈念している」と語った。
  •  その後、PRビデオやスライドを通じて、XTCグループの説明が行われたが「超硬素材の7割は輸出され、なかでも北米エリアのマーケットシェアは世界最大。ワールドワイドでは、2割を占める」そうだ。
  •  引き続いて行われた工場見学では、押出工場やプレス工場をはじめ、焼結工場、検査室、さらにソリッドやインサートの切削工場も見て回った。
  •  押出やプレスの各工場は、温度と湿度が目標値に設定され、焼結は、自社製の炉が導入されているなどの創意工夫も目を引いた。
  •  また、超硬丸棒の検査室では、女性スタッフの手による、チッピングなどの外観検査が印象的で「660ミリといった長尺ものまで含めて全数検査」を施していると言う。
  •  一方、切削工具の工場では、欧州各社を中心とする多種多様な工具研削盤が圧倒されるくらい設備されていた。工具の販売は基本的に中国市場向けとなる。
  •  工場見学を終えた各社の代表の感想は「とにかく巨大。設備には、相当の資金が投入されており、国営がバックにあるパワーを感じさせた」とのことだ。

 

 

  •  工場見学を終えて、質疑応答の場が設定され、GESAC Japanの社長を兼務する姜総経理が対応した。

 

  •  Q=日本での素材の価格についてどう考えるか‐
  •  A=日本市場では従来からタングステン粉末の販売は行っているが、超硬素材の日本市場での価格は、余りわかっていない。現在、アピールしているのは、鉱山採鉱からの一貫生産による安定供給だ。欧米、特に北米では35%のシェアを占め、品質の安定、価格競争力、安定供給といった点で実績を積み上げてきている。

 

  •  Q=日本での在庫状況は、どうなっているか。リストが欲しい‐
  •  A=現在、東京の事務所に2000万円相当の在庫がある。日本にない場合、親会社(GESAC)には、小径から長尺で42ミリまで取り揃えており、段加工品等の特殊品についても、およそ4週間で納品が可能だ。

 

  •  Q=海外では、北米の実績が高いとのことだが、この間の中米貿易戦争の影響はどうか。
  •  A=現在、影響が出ているのは事実だが、中国向けが増えているほか、韓国、インド、東南アジア向けの伸びが大きくなってきており、さらに開拓を進めていく。

 

  •  Q=GESACの株主構成で、XTCを除いて、アライドマテリアルが30%、サンドビックで10%の株を保有している。日常の経営では、どのように関わっているか‐
  •  A=役員会では出席してもらって、全体の方針等について議論しているが、日常的に関与している訳ではない。我々が実務を行っている。

 

  •  Q=ロット数や振れなどの公差についてはどうか‐
  •  A=我々は1本のオーダーから対応している。在庫があれば、即日発送して、基本的に翌日納品可能だ。また、振れの公差については、厳しく、コントロールしている。長尺などの特殊ものでも、対応できる。

 

  •  押しなべて活発な質疑応答となった。コーティング等の質問もあったが、悪しからず割愛させて頂く。
  •   夕食では、姜総経理、日本で活動する張副社長、岡本営業部長ほか、GESACのスタッフも合流、「半端ない料理」に舌鼓を打った。

 

GESACとの共同開発パートナー

GESACとの共同開発パートナー

 

GESAC超硬丸棒工場概観

GESAC超硬丸棒工場概観

 

ワルタークラブを代表して挨拶する小泉副会長(コイズミツール社長)

ワルタークラブを代表して挨拶する小泉副会長(コイズミツール社長)

 

呉董事長

呉董事長

 

参加したワルタークラブ各社(手前)と熱心な質疑応答も行われた

参加したワルタークラブ各社(手前)と熱心な質疑応答も行われた

 

質問に応える姜総経理(GESAC JAPAN 社長兼務)

質問に応える姜総経理(GESAC JAPAN 社長兼務)

 

超硬丸棒素材の製造の流れを説明する張副社長

超硬丸棒素材の製造の流れを説明する張副社長

 

超硬丸棒素材の展示

超硬丸棒素材の展示

 

入り口のショールームで、工場の概要説明に聴き入るワルタークラブ参加者

入り口のショールームで、工場の概要説明に聴き入るワルタークラブ参加者