半導体関連の部品加工で実績、ユキワ製スーパーG1チャックで結果出す モリクラフト

ユキワ精工株式会社

ユキワ精工株式会社

DMG森精機のCMXを操作する田村課長。スーパーG1チャックに切り替えたことで5カ月間、刃物は変えていないと言う

 

  •  半導体関連の仕事が90%を占め、被削材はアルミが多い‐群馬県富岡市で部品加工を手がけるモリクラフトは、ここ3、4年の間で、仕事内容が大きく変わった。

 

  •  田村健製造課長は「検査回路冶具、カーセンサー部品、プローブホルダー・・・と半導体に関わる部品の設計から加工を手掛けるようになり、県外、特に長野県からの仕事を頂くようになってきている」。
  •  創業は平成3年、被削材で捉えれば樹脂加工の分野からアルミ加工に移行するとともに微細加工がキーワードになってきた。
  •  「昨年の夏辺りからスマートフォン関連の仕事の引き合いが増え始め、私ごとになるが、トレー関連の依頼が入り、盆休みはなくなった」と田村課長は苦笑いする。
  •  現場には、ファナック製ロボドリル7台を筆頭に、碌々産業のMEGA、DMG森精機のデゥラバーティカルなどが設備されている。
  •  「最も新しい設備は、昨年6月に導入したDMG森精機のCMX。仕事の幅を広げていくため、800mmストロークの機械を検討、剛性の高さ、テーブルの安定性などを考慮して購入した」そうだ。
  •  切込み量を上げてもビビらず、送りや回転数を上げられる結果、時間短縮に直接、繋がっていると言う。 10本要していた刃物が1本で済む  ユキワ精工のツーリングとの出会いは、自動車のバックモニターに関連するプローブホルダーの穴あけで苦慮していた2年前に重なり合う。
  •  「径4ミリ、深さ7ミリの部品に、プローブピンと呼ばれる、径0・67mmの穴を4つ明ける作業になるが、16穴明けたくらいで、限界となり、詰まりが出てくる」。  取引している地元の商社である岡田商会の営業の方からユキワ精工のチラシをもらうと「どこかで見たような?」探したところ、未使用のスーパーG1チャックが見つかったと言う。
  •  「早速、ロボドリルにツーリングだけ変えて、あとは同じ条件で試したところ、160穴から、最大で200穴まで、総数が伸びた。その差10倍以上。驚かない訳にはいかなかった」。  刃物は主にアトムのADRを使用しているが、従来、10本要していたのが1本で済む、そんな劇的変化をもたらしたことになる。 将来的にはツーリングはユキワ製へ
  •  「スーパーG1チャックの効用がわかったので、最新設備であるCMXにも適用。昨年7月から、主にカーセンサー部品の加工で稼働スタートしたが、5カ月間、刃物を変えずに済んでいる」と言う。
  •  あまりの刃持ちの良さに昨年11月にはスーパーG1チャックをまとめて25本購入。トータルで30本になるそうだ。
  •  「機械1台に14本の工具が取り付けられるので、単純に7台×14本のスーパーG1チャックが欲しい。将来的に、ツーリングはユキワ製に全面的に切り替えていくつもり」と田村課長はきっぱり。
  •  また、スーパーG1チャック導入によって「刃物のねじれを弱めにして、『挽き目』を重視していくようになるなど、仕事への取り組み姿勢も変わってきた」。

 

  •  ツーリングを変えただけで、加工総数のみならず、ものづくりに対する姿勢にまで、影響を与えた。筆者が「神話」を語る日も近い?と思い知らされた次第だ。

 

工場の玄関先でスタッフ一同の集合写真

工場の玄関先でスタッフ一同の集合写真

 

装填されているスーパーG1チャック

装填されているスーパーG1チャック