品質の改善強化は今期最大の課題。P級ラインの一部では検査の自動化スタート。三菱マテリアル

三菱マテリアル株式会社

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金子営業本部長

 

  •  三菱マテリアル・加工事業カンパニーの金子営業本部長を訪ね、JIMTОFでの反応を総括してもらいつつ、特徴ある最近の取り組み、2019年の展望などを聞いてみた。

 

 

  •  今期の一大イベントと言えば、やはりJIMTОFが名指しできよう。
  •  「当社は『応える・魅せる・攻める』をテーマとして掲げたが、これはテクニカルセンターで謳うスローガンと同じ。言わば、移動式テクニカルセンターとしてJIMTОFの場を活用したことが今回の大きな特徴となった」。
  •  応える‐「メーカー最大の35小間を確保し、来場者がゆったりとブースを見て回れるよう、スペースを広げ、商談コーナーを設けるとともに、産業別、製品別にアイテムを配した。アンケートでも『入りやすかった』との評価を頂いた」。
  •  魅せる‐「事前に顧客から申し込みを受け付け、加工に関する悩み事に対応する相談室を設置。当社初となるが、会期中で約100組の相談に応じた。航空機分野のユーザーから、被削材との『相性』に関する問い合わせ、小物部品加工における相談、半導体に関連するセンサーに対する加工アプローチ等が挙げられる。いずれも専門的な相談事が多かった」。
  •  攻める‐「会期中の6日間、可能な限りプレゼンを実施した。製品及び、その背景にある技術、加工提案、そしてアプリケーション・・・をより良く理解して頂くとの観点からだが、なかでも小物部品加工に関連するプレゼンが多く、この分野のプレゼンには、昨年9月に発足させたPMG(パーツ・マシニング・グループ)が関わった。国内流通営業部に所属する、小物部品に特化して販売する専門部隊で、自動車のEV化に伴うアクチュエータや、モータ等の加工で使用されるような小物部品の増加がPMGの誕生のきっかけをつくった」。
  •  以上が、移動式テクニカルセンターの内容と、その成果となる。

 

  •  ここで、もう少し触れたいのが、前述のPMG。
  •  「5人でスタートし、現在、核となるユーザーを打ち固めていく段階ではあるが、自動車関連分野で強みを発揮できる流通各社が多い中、手厚いサービスを提供し、拡販に結び付けていきたい」「工程集約、複合加工といったニーズの高まりは、ドリル・エンドミル加工の裾野を広げている。ユーザーはもとより、自動盤メーカーへのフルラインナップを可能にしている当社のサポート力を、是非、ご活用いただきたい。また、材料メーカーとしての特長も生かしながら、インサートの新しい材種の開発を進めており、この分野でもご期待頂ければ」。
  •  高い需要を背景に、製品供給能力が問われている、この点について「筑波製作所を例にとると、在庫率は90%を切っている。標準品が手薄になってきたが、今年度内のキャッチアップを目指しているところ。予測よりも遥かに上回るニーズが発生している。ただ、当社に即せば、品質の改善強化は何よりも優先課題に。一例を挙げれば、検査の自動化を順次、実現させていく。P級ラインでは、一部、検査の自動化をスタートさせた」。
  •  最後に2019年の展望について「国内は上期までは横ばいを予測。海外は、総じて良いと思う。10月、11月と、過去最高を記録した北米は引き続き堅調に推移し、中国、台湾も健闘するだろう。厳しいのは韓国、ロシア、トルコ辺りか。数量ベースでは、今や7割以上が海外となっている」。