日進工具が5軸マシニングセンタ加工用ボールエンドミルを開発、6月から発売へ 不等分割の3枚刃、高剛性の刃形状

日進工具株式会社

日進工具株式会社

後藤社長

  •  インターモールド東京に出展していた日進工具のブースを訪ね、後藤弘治社長はじめ、小泉営業部長ら幹部に面談する機会を得た。

 

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  •  後藤社長の表情は非常に明るかった。
  •  「リアル展示会の良さを実感する。見て、感じて、疑問に思えば質問を発してくれること自体に飢えていたのだろうと思う。パシフィコ横浜でのプライベートショー開催から、すでに1年以上が経過し、コロナ禍のもと、来場者のフォローができないまま、過ぎ去ったことも、リアルへの渇望を生む要因になっていたと思う」との出展の感想を述べながら「半導体が滞り、自動車生産に影響を与えた例だけではなく、火災や地震といった自然災害的な要因による遅延も見逃せない。未だにコロナ禍とは言え、当社の業績は昨秋までに回復し、今年に入ってさらに力強さが伴ってきた」との現況を語る。
  •  ただ、後藤社長は、一度、止まった経済の動きは戻りづらい、とも付け加えた。
  •  今回のインターモールドでは新製品3点が披露された。なかでも要注目と言えるのが5軸マシニングセンタ加工用のボールエンドミルだろう。
  •  「5軸のマシニングセンタが小型化を辿るなか、精度の点でも3軸に劣らないものへと成長を遂げてきている。6月発売を予定している『MSBSH330-5X』は、不等分割の3枚刃で、剛性の高い刃形状を採用して5軸マシニングセンタ加工機の特長が活かせるよう差別化している」。
  •  後藤社長の説明の後、小泉営業部長は、この3枚刃ボールエンドミルの入った工具ケースを指さした。
  •  「工具ケースひとつ、ひとつに二次元バーコードを施したシールを張り付けた。かざして読み取ることによって、この工具の特長をはじめ、規格表や加工切削条件、さらに加工動画などが確認できるようになっている。業界初の試みであり、使用直前にも工具の特長を再認識できるよう配慮したものだ」と解説する。
  •  このほか新製品に関連しては、CBNスーパーハイプレシジョンラジアスエンドミル「SHPR400」のバリエーション拡大(全142サイズ・6月発売を予定)と銅電極加工用ロングネックエンドミル「DHR237、DRB230、DHR237R」の規格追加(全321サイズ・7月発売を予定)を計画している。
  •  後藤社長は「今回の新製品3点は、予告発売のイメージ。素材メーカーの滞りもあったが、我々としては受注頂いている既存商品の納入に注力していく。変わらぬご愛顧を」と訴えた。

 

仙台の新開発センターと中継された

仙台の新開発センターと中継された

 

二次元バーコードを読み取ると、工具の特長、規格表、動画などが目の当たりにできる

二次元バーコードを読み取ると、工具の特長、規格表、動画などが目の当たりにできる

 

日進工具のブースの様子

日進工具のブースの様子