柳川Cominix社長インタビュー。今後は通販サイト「さくさく」に注力へ。ロボット、半導体も視野に

株式会社Cominix

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柳川社長

  •  大阪の谷町に構えていた本社社屋を売却し、昨年末から、堺筋本町を拠点に始動したCominix本社を訪問、柳川社長に新春インタビューを行った。

 

 

  •  働き方改革の進行で、仕事のスタイルが変わってきている。
  •  「リモートワークの進展にも見られるように、場所に拘る理由がなくなってきている。以前は、住宅街だったこともあり、歩くスピードの違いに、ビジネス街に引っ越したことを実感するが、ビジネスの中心地で仕事をするのがいいと判断したのも引っ越しの理由だった」と語る。
  •  2021年を総括すれば「景況は悪くなかったが、半導体に見られるように、モノ不足によって、生産が上がらない年ではなかったかと思う」と振り返りつつ「海外10か国に現地法人があるが、インド、インドネシアが今期、黒字転換を果たすなど、海外は全拠点でいい結果が出せた。コロナ禍によるダメージはあったものの、現地スタッフの仕事への習熟やローカル市場の顧客開拓などが奏功した」と海外での成果に言及する。
  •  東南アジアでの生産は、益々、増えてくるだろう、とも付け加えた。
  •  国内については、M&Aが目立つ。直近の2年間では6社が対象となった。
  •  「今年から『攻め』に入っていく。特にメーカー的立場にある川野辺製作所は、アメリカではホンダジェットを普通に訪問できるばかりか、トヨタやアイシンなどの工場にも顔出しができ、今後は日本での商売にも繋がってくると思う。東新商会も黒字転換が視野に入ってきた」。
  •  2021年を振り返っての一言となると「忙しかった」に尽きるそうだ。
  •  「今後は、通販サイトである『さくさく』に注力していきたい。切削工具のみならず、需要の高いロボットや半導体分野も巻き込んでいければと構想している。当社は、卸、直需、海外とあるが、独自のスタイルを確立し、優位性を追求していくうえでも、『さくさく』の充実は重要と判断している」。
  •  環境への配慮の象徴とも言える自動車のEV化によって、切削加工の需要は4割減少すると言われる。
  •  「パワートレイン系の消失は大きい。が、バッテリーやモータコアにも切削需要はある。それに当社は、耐摩工具、光ファイバー、精密測定機器、環境機器など、取り扱う商材は幅広い。EV化はマイナス面だけでなく、新たな需要も発生してくる。注目していきたい」。
  •  2022年の受注環境は、当面、悪くないだろう。問題は柳川社長も指摘する通り、モノ不足に尽きようか。