今後の課題は、カメラ技術と加工の融合。1年かけて、生産体制の新たな構築へ

牧野フライス精機株式会社

牧野フライス精機株式会社

ユニットの組み付けを展開するSite2

  •  牧野フライス精機の新工場稼働から2カ月が過ぎた。
  •  清水大介社長は「今後、1年かけて全機種の流し方を変えていく段階。現在、逐次、生産の見直しを展開し、新たな生産体制を構築していく」。
  •  働き方改革も絡み、効率よくものを作り込んでいく、そのための「仕組み」が、やはりベースになってくるのだろう。
  •  生産能力アップばかりか、新工場完成とともに設置された「ソリューションセンター」によって、顧客からの相談事、試削り等にも、スピーディーな対応が図れるようになっていることも付記したい。
  •  2018年度の工具研削盤は、過去最高の売り上げを達成し、受注ベースでも高原状態を継続してきたが「最近の動きでは、設備投資案件に少し、落ち着きが見え始め、尚且つ新工場による生産効率向上により顧客からの納期対応についても、厳しさが薄らいできている」と言う。
  •  受注活動の照準は、すでに下期がターゲット。直近の実績では、AGE30、MG30、そして昨秋リリースされたSG10の3機種で売り上げの75%を占めるようになり、早くもSG10は「3番手に名乗り」を上げている。
  •  「稼働台数が増えるに従い、重要となるのがサポート・フォロー体制だろう。当社では最近、顧客からの最初の電話受付=『ファースト』要員を配置し、相談=『セカンド』要員への取次ぎをスムーズなものにしていくことで、お客様をお待たせする時間を極力少なくしていき、より迅速な顧客対応を心がけていきたいと思う」。
  •  また、牧野フライス精機では、工具研削盤ばかりか、顧客の前工程を担う段研「TAD」のリピートの発生も出てくるようになっており、着実に市場に浸透してきた。
  •  「今後の課題は、カメラ技術と加工の融合をテーマにしている。たとえば、AGE30でオプションとなっている、機内内蔵型工具測定装置、monocam2の今後の発展の方向性にも繋がっていくことになる。補正の必要性の有無、ひいては工作機械を効率よく使っていく手立ての具体化であり、ご期待頂ければと思う」。
  •  monocam2は、昨年のJIMTОFで発表された内蔵型工具測定装置で、タッチセンサーでは検出不能な小径オイルホールを内蔵カメラで撮影し、自動でオイルホールの位相や芯厚測定を行うことができる。
  •  第二の創業と言われる牧野フライス精機の第一歩となる2019年度。その歩みに関心を向けない訳にはいかない。

 

牧野新工場外観

牧野新工場外観