大沢社長が新中期経営計画を発表。微細精密分野向け工具を社内構成比30%にまで拡大へ。

オーエスジー株式会社

オーエスジー株式会社

株主総会で挨拶する石川会長

  •  オーエスジーの109回定時株主総会が2月18日に開催され、石川会長による連結決算を含む現状報告のほか、総会後の懇談会の場では、大沢伸朗社長から「Beyond the limit」のテーマを掲げた新中期経営計画が発表され、同社の中長期的な姿が指し示された。

 

 

  •  石川会長は冒頭のあいさつで「自動車の生産調整が継続する一方、半導体や工作機械といった精密部品に関連する需要は底堅く、受注も堅調に推移している。製造の点では、オミクロン株感染が継続しているものの、生産への影響は最小限に留まっている」とコメントしつつ、前期の連結業績では「売り上げ1261億5600万円、営業利益で161億500万円を達成。2019年度並みとなるV字回復で、その基調は今期に入っても継続している」と語った。今期の売り上げは1350億円、営業利益で202億円を掲げた。
  •  総会後の懇談会の場で、大沢伸朗社長が新中期経営計画を発表。副題には「BEYOND THE LIMIT」が掲げられたが「限界の向こうへ、との意味には、限界を破る、限界を設けない、自らの殻を破る、今までの常識の囚われないといった思いを込めた」そうだ。
  •  2020年までは、世界トップの穴加工切削工具メーカーを目指した「トップライン拡大期」と跡付け「2022年以降は、カーボンニュートラル時代に向けた世界のものづくり産業に貢献するエッセンシャルプレーヤーを目指す」と今後の方向性を語った。
  •  2024年11月期には、営業利益ベースでROA15%、営業利益300億円と目標を設定。
  •  「Aブランドの標準品比率30%、コーティング・再研比率10%を目指すが、目玉となるのが、微細精密分野に向けた販売注力で、タップ、ドリルで径3ミリ以下、エンドミル同6ミリ以下が対象となる」。
  •  5G・半導体、エネルギー、モビリティー、ロボット、医療、精密金型・・・最近の10年間における、微細精密分野のグローバル化の進展に、高いマーケット性が伴う。
  •  「当社の強みである販売組織を駆使して、標準品を主体に攻め入っていきたい。Aブランドの拡大にも繋がるうえ、収益向上にも繋がると考える」。
  •  EV化に伴う内燃機関に代わる成長を、微細精密分野で伸ばしていく方針で、2030年までに売り上げで30%のシェアを目指すと言う。
  •  工具の再研磨は、世界20か国で自前の工場を擁し、コーティング事業も10か国で展開している。
  •  「コーティング関連では、昨年8月にはCoat-X Japanという合弁会社を設立。今後、耐水性が求められるコーティングサービスを実施していく」との事業拡大に言及した。

 

大沢社長

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