下半期は利益率にも配慮した特殊工具需要への対応を強化するシーケィケー。

シー・ケィ・ケー株式会社

シー・ケィ・ケー株式会社

澤田社長

  •  半期を折り返すタイミングでシー・ケィ・ケー本社を訪問し、日本を皮切りに、中国、タイ、そして関連事業それぞれを切り口として、澤田社長に取材した。

 

 

  •  2018年レベルをベンチマークに設定し今期をスタートさせたシー・ケィ・ケー。上半期の時点で103%の達成が見込めるそうだ。
  •  「リピーターからの量的拡大、新規顧客の開拓双方が寄与して、受注量アップを辿ってきた。下半期は、利益率アップにも配慮しながら、特殊工具需要の拡大を視野に入れ、受注量をさらに加速させていきたいと思っている」。
  •  日本は、2直24時間稼働体制で、夜間は完全無人運転を採る。海外への移設及び老朽化更新に伴う新たな設備導入も具体化させている。
  •  「マンパワーの点では、2018年に比べて1割以上の減員となっているが、自動化等を含めた効率化の追求で、逆に生産体制には余力を生んでいる」そうだ。
  •  中国では、高い需要が発生している、上海近郊エリアをサポートしていく蘇州工場が、昨年9月に完成した。
  •  「併設したショールームで顧客との打ち合わせを現地スタッフだけで行っている。私は日本本社から指示を出しているだけだ。生産体制も順次、整えている段階で、自動車及び部品関連のユーザーに照準を合わせている。周辺には日系企業も多いことから、日本本社とのシナジーを追求できるケースが多いと予想している」。
  •  蘇州工場完成は、何よりも、顧客との信頼関係強化に繋がっていると言う。
  •  タイは売り上げベースで35%アップが図られた。
  •  「創業期から活動しているタイ人スタッフが、昨年から責任者となり運営に当たるようになった。社内の結束強化に繋がっている。売り上げ拡大では、現地大手企業からの受注実績が伴ってきている点が無視できない。工具は現在、日本と中国から供給しているが、特殊ニーズも高いため、今後、タイでも製造を手がけていく計画だ。自社対応している再研削は引き続き需要を喚起し、好調に推移している」。
  •  製造工具、再研工具の両輪がタイの市場に対し、うまく噛み合ってきたとも言えるだろうか。
  •  最後になるが、名古屋工業大学との刃物の鋭利化事業の現状はどうか。
  •  「ユーザーのフィールドテストに入りつつある段階を迎えている。トライアルは実に様々で、たとえば、寿命では超硬のみならず、ハイスとの比較(例えばタップ)も行っている」と言う。
  •  コロナ禍の影響では、特に中国では無視できない。今後、どのような「折り合い」が付けられるか。一日も早い、有効な治療薬の開発、提供が望まれる1年となる。