英・DATHANのピニオンカッタ・スカイヴィングカッタの引き合い、受注が増加。「今後、伸ばしていきたい特殊対応の分野」の好例

ツールドインターナショナル株式会社

ツールドインターナショナル株式会社

大藪社長

  •  ユーザーへの訴求として「改善か、革新か」の企業理念を掲げ、常に新しい価値を市場に提供している工具輸入商社のツールドインターナショナル。2022年はどのような進化を模索し、実践していくのか、大藪社長を訪問し、紙面化を試みた。

 

 

  •  2022年の自身の標語を「動」と決定した。
  •  「移動の制約を考慮しない訳にはいかなかった昨年を顧みながら、今年は動きの伴う自由な訪問の機会を増やしていければとの思いを託した」。
  •  だが、オミクロン株の急拡大が止まらず、新規感染者が全国で初の10万人を超えるなど、過去最多に拍車をかけている。
  •  「訪問案件があれば別だが、表敬訪問のような場合は、難しい。エリアを問わない。それだけに『動』への期待が大きくなってきている」。
  •  原材料不足や物流コストアップなどによって「値上げ」が相次いでいる。日本の工具業界も例外では済まないだろう。
  •  「仕入れ・輸入先メーカーは、すでに一様に値上げを実施しており、当社としても情勢を見ながら、値上げを検討していきたい。利益圧迫の要因では、円安の影響も大きい」。
  •  台湾のNine9、7leadersを筆頭に、オーストリアのTIROTООL、オランダはVAN HООRN、イギリスではDATHANと多様な取り扱いメーカーが層を成してきている。
  •  「創業以来、輸入商社の立ち位置として、世界の優良メーカーを紹介し、日本の市場でメリットが発揮できるよう努めてきた」。
  •  最近の動きでは、DATHANのピニオンカッタ・スカイヴィングカッタの引き合いが増え、受注に繋がってきていると言う。
  •  「100%オーダーメイドの対応を採っている、90年以上の歴史を持つ英国の歯切りメーカー。対応サイズは8ミリ~320ミリとレンジが広い。高いグラインディング技術と充実した検査体制を敷いている。当社としても特殊対応の分野は、今後、売り上げを伸ばしていければと思っているだけに、拡販を追求していきたい」。
  •  現下の工具販売に留まらない「未来を売る」姿勢も垣間見えようか。
  •  「値上げの検討とも関連するが、輸入工具のメリットとして、これまで市場に投入していなかった『エコノミーライン』の投入を、販売戦略上、考慮していきたい。求められる公差がそれほど厳しくなければ、導入しやすい価格で、イニシャルコストの面から顧客満足度を上げていく試みとなる」。

 

  •  1月からは下半期に入った。
  •  「デジタル対応も昨年から充実させてきたが、工具販売のリアル営業の重要性は無視することができない。ユーザーとともに、可能性から未来を切り拓いていくためにも、東京本社、大阪と名古屋の3拠点で、今後も増員を図り、実践的な社内教育を展開していきたい」。
  •  上半期の業績では過去最高を記録した2019年同期比でも109%。売り上げでは過去最高を塗り替える可能性も高まってきた。

 

7leadesのエンドミルで実演も行われた

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輸入協会メンバーとしてパシフィコ横浜で開催されたテクニカルショウに出展

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