日本初となるプロダクティビティトロフィー開催。ブラザー・スイスルーブ・ジャパン

ブラザー・スイスルーブ・ジャパン株式会社

ブラザー・スイスルーブ・ジャパン株式会社

西社長

 

  •  「プロダクティビティトロフィー」‐ブラザー・スイスルーブグループが年に1度、実施しているイベントで「我々が提供するソリューションで、成功を収めている客先をご案内させて頂き、敬意を表する」(パトリック・マティス アジアパシフィック社長)ことを通じ、いっそうの生産性向上、付加価値向上を目指すことに主眼がある。メカトロテック開催前日の10月17日、ジャパンとしては初の試みとなり、ユーザー5社から、成功事例が紹介された。

 

 

  •  冒頭、マティス社長は、「製造業を取り巻く環境は厳しくなってきており、コストダウン要求ばかりか、生産そのものの見直しが強まってきている。その中で、クーラントは必要悪と考えられているのでは?と想像するが、当社は加工のソリューションのひとつ、と捉えている」との考えを明らかにしつつ「サイクルタイム削減、(ワークの)表面精度アップ、品質向上、工具寿命の延長、環境や人への負荷低減・・・と広範囲にわたるメリットを享受できるものと考える」と語った。  受賞各社は以下の5社で、5つのカテゴリー、それぞれで結果を出している。

 

  •  ▼工具費用のトータルな削減・・・前田鉄工所亀岡工場  前田聖常務
  •  当社は1954年に創業し、自動車部品や熱センサー部品などの加工を手掛けている。
  •  切削油を変えたことによる検証で、SUS303が対象ワーク。他社製では400穴、対するバスコ7000が2000穴とその差5倍の加工総量。その結果、段取り時間の削減にも繋がり、加工精度の安定、不良やバラツキの低減にも寄与してくれる。トータルなコスト削減では年間で190万円に迫る。
  •  また、刃持ちの良さと段取り時間の削減から、「働き方改革」に繋がり「休日の増加」ひいては「雇用の促進」の扉を拓いていく。「攻め」のコスト削減こそが重要だ。

 

  •  ▼プロセスの安定性/工程の最適化・・・双葉製作所
  •  前田健氏(製造技術部) 1967年に設立し、自動車や航空機、医療、時計、光学機械といた多様な分野の精密ゴム金型を製造。ブラザー・スイスルーブの切削油は、10年前くらいから使用、ワークの面粗度向上を狙った。過去、10種類以上の切削油でトライしてきたが、Ra1・6を安定的に達成できずにいた。
  •  ところが、植物油ベースの「バスコミル22」を使用したところ、Ra0・2まで向上し、工具寿命も2倍に。特に径2ミリのドリルでは3倍から4倍に工具寿命が伸びた。さらにバスコミルHD25CFHFPでは、Ra0・15を達成。面粗度の向上で磨き工程の時間が7・2時間から6時間に短縮。総形バイトも2種類から1種類に減らすことに成功した。

 

  •  ▼工具の最適化・・・高木製作所  高木博司社長
  •  1997年設立、自動車部品等の加工がメイン。シャフト部品加工で、工具の寿命延長を図ることを目的に、塩素フリーのブラソミル15を採用。従来、不水溶性の油を使っての加工では、1日3回の工具交換。交換時間そのものは短いものの、初期摩耗があるため、2時間くらいは人が付いていなければならず、大きな時間ロスになっていたが、ブラソミル15では、1日1回の交換に。油の単価は2倍になったが、加工個数で見ると、800個から4000個の飛躍的な伸びを達成。夜間の人手も不要になり、大幅なコストダウンを達成した。

 

  •  ▼環境・安全・・・神谷研磨  神谷ちとせ社長 1966年の設立以来、自動車部品の各種研削加工を手掛けてきている。切削油では手荒れの問題があって、女性作業員も多いことから、いい職場環境で働けることを常に意識してきた。「手荒れ」は「人離れ」の大きな要因になる。
  •  ブラザー・スイスルーブ・ジャパンが設立される前のイリス商会時代からおよそ30年以上、特に人と環境に配慮された製品として使用してきている。
  •  使い分けでは、ブラソカットコンビは面粗度重視、グラインデックス10は視認性重視。品質や生産性向上、加工トラブルの減少もさることながら、ジェットミックスは、手荒れや腐敗等にも随分と貢献する。ブラザー製品への信頼は、特に人と環境の点で揺るぎない。

 

  •  ▼切削油の最適化・・・エイベックス  鈴木博人製造グループチームリーダー
  •  1949年創業で、自動車部品を中心に建築部品やミシン部品などの切削・研削加工を生業とする。小径・丸モノの加工が得意。製造拠点は7か所あり、1日トータルで25万個のワークを加工している。
  •  バスコミルHD25CFHFPを使用。従来の切削油では、1200個で工具交換していたのが、1500個まで加工できるようになり、工具寿命が25%アップ。工具交換の頻度の減少、工具の長寿命化により、油の単価では従来製品比10倍の開きがあったが、それ以上の貢献度がある。

 

  •  以上、5社がそれぞれの観点から、ブラザー・スイスルーブの切削油を評価。
  •  終わりの挨拶で西博昭社長は「お話を聞きして、改めて日本のお客様のレベルの高さを思い知った。クーラントで生産が変わるのか、という考えの人は多い。我々はクーラントではなく、リキッドツールと呼び、選定によって、生産性はもちろん、人や環境への配慮にも繋がり、現場の士気までも左右するものと考えている。日本のお客様にリキッドツールをお届けするのが我々の使命だ」と締めくくった。

 

マティス社長

マティス社長