7月以降は回復に転換、訪問不可の場合は、オンラインセミナー開催した三菱マテリアル加工事業カンパニー

三菱マテリアル株式会社

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金子三菱マテリアル加工事業カンパニー営業本部長

  •  三菱マテリアル・加工事業カンパニーの営業戦線は、コロナ禍のもとで、どのような活動を展開してきたのか。感染急拡大が継続するなか、今後の展望を含め、金子営業本部長へのインタビューを通じて、紙面化を図ってみた。

 

 

  •  2020年の3月、そして今期に入った4月辺りまでは、在宅勤務が大半だったと言う。
  •  「コロナ禍の影響は、既に広がっていたが、すべての顧客の現場がストップしている訳ではない。大都市圏以外は、訪問不可を除いて、5月以降、通常の活動に戻し、難しい場合はオンラインセミナーを開催した」ほか「限定的ではあるが、自動車用ノズルなどの小物部品加工に特化したPMGグループでは、活動を制約されながらも、キーアカウントに対するアクションを進め『テストカットなら(訪問は)OK』にこぎつけたところは、受注に繋がったりした」。
  •  今期を振り返ると昨年の5月、6月が底で、7月以降回復に転じ、その後、月を追うごとに上向いてきたようで「9月以降は、東日本中心ではあるが、私自身の顧客訪問も可能な限り行える状況が到来し、(ご愛顧いただいている)感謝の気持ちをお伝えできるようになっていった。営業成績も、当初予想との比較だが、10月、11月は想定以上の数字を記録するようになっていった」。
  •  着実に業績は回復しつつある。
  •  「だが、今年1月以降、あるいは4月以降が、なかなか見えてこない。特に切削工具の需要を大きく左右する自動車関連業界の動向はどうか。月別の世界自動車生産台数、たとえば2020年9月、10月は790万台規模と言う横這いで推移するなか、中国は堅調に推移してきたが、欧米や北米は、今後、どうなるのか。また、直近では、感染者数が急拡大しており、(自動車の)購買への影響も懸念材料となってくるだろう」。
  •  コロナ禍の影響を産業別に見れば、航空機分野の厳しさは半端ではない。
  •  「あまりにも甚大な影響を受けすぎている。特にボーイングは787の事故による低迷ばかりか、コロナ禍が追い打ちをかけた。航空機業界全体で括っても、今後、3年~4年は回復しないと見た方がいいだろう。中期的に見て、リージョナルジェットの需要が拡大し、大型機は減少するのか」。
  •  コロナ禍によって、様々な産業分野で需要に変化が伴っている。密の回避によって、半導体分野は逆に需要が刺激され、促進されているのではないか。
  •  「開発製品やソリューションの提供では、コストばかりか安全性も求められる。デジタルトランスフォーメーションの活用も視野に入ってくるが、我々に求められるのは、ユーザーの近くで活動することだ。お客様と密接に繋がっていくことそのものが重要と考える」。