金型レスのものづくりを提案する伊福精密。金型や製品を3D データで保管するデジタル倉庫の活用を展開

伊福精密株式会社

伊福精密株式会社

3D造形システムで匠の技を凌駕していく酒器(写真は伊福社長)

日本では、金属3Dプリンターは、試作・開発部門で成果を上げているものの、量産は「道半ば」とも言われる。
 伊福精密は、2019年から、金型や製品をデジタルデータ化し「必要な時に、必要な数量、場所、品質で、ものづくりを行う」3Dプリンターを駆使した、金型レスのものづくりを提案してきた。
 伊福社長は「金型の保管、管理には様々な負担が伴う。当社で従来の金型や製品を3Dデータで保管する(デジタル倉庫)ことにより、様々な負担から解放できるばかりか、発注から納品までのレスポンスも大幅に向上させることが可能となる」と語る。
 2016年にソディック製「OPM250L」を導入しているが「3Dプリンターを導入して、儲けている企業は日本には稀有な存在で、新しいビジネスモデルを構築していくことが肝要になってくる」ようだ。
 伊福社長は2012年より3Dプリンターのイロハをドイツで勉強したと言う。
 「海外で経験を積んで案件を受注し、実用化し、実績を作ってから、日本での需要を刺激していけるようにしたい」と海外で実績を積み、国内での需要を射程に捉えていく考えだ。
 伊福精密は関西では、いち早くワイヤカットを導入した企業でもある。
 「ワイヤカット加工技術と高精度切削技術が当社の基本技術。試作・開発製品事業をメインに社内一貫生産、品質管理体制を構築してきた」創業52年を迎える企業で、3Dプリンターの分野では、設計・3Dプリンタ-・機械加工の技術を融合させて新しい市場を創造していく計画を描いている。

伊福精密に導入されているソディック製3Dプリンタ
伊福精密に導入されているソディック製3Dプリンタ