スーパーG1チャックの活用で剛性、面粗度アップのほか、工具寿命が最大で20%伸長した石橋製作所(東京都八王子市) ブラザー工業製スピーディオ、ヤマザキマザック製インテグレックスで検証

有限会社石橋製作所

有限会社石橋製作所

スーパーG1チャックを手にする石橋社長

創業は1958年と言うから、石橋製作所は今年で65周年を迎えることになる。
 昨年11月に3代目となった石橋賢一社長は「祖父が府中で部品加工業を立ち上げ、平成の初めころに私の父の代で八王子に移転した。仕事内容は、祖父の時代からの空圧機器関連部品がボリュームでは半分を占め、残りは半導体をはじめ、医療機器、検査機器、釣り具(リール部品)、商用車の改造部品等から成る。取引企業は都内中心に20社くらい」と説明してくれた。
 被削材はアルミが最も多く、他に真鍮、ステンレス、鉄などで占め、受注は1ロットで10個~100個、ボリュームゾーンは1ロット30個程度だそうだ。
 「コロナ禍前の2019年レベルの仕事量には、あと一歩。とは言え、品質への要求レベルは年々、高まってきており、受注先からの指導が入ることも。不良率をゼロへ-人任せから仕組みへの落とし込みが課題に挙がっている」。
 ユキワ精工製ツーリングとの付き合いは、八王子に移転する前の府中時代に遡る。
 「先代がブラザー工業のタッピングセンタ導入時に、取引していた商社の方に勧められ、以来、ブラザー工業のタッピングセンタには基本的にユキワ精工のツーリングが搭載されている。私自身が直接、選んだのは、2018年に生産性向上を狙って、ブラザー工業のスピーディオ導入を図った時で、径違いのスーパーG1チャック計10本を同時購入した」。
 もちろん、導入に当たっては他社製と比較、検討した。
 「剛性や面粗度の高さに加え、工具寿命で最大20%の違いが出た。アルミではわかりにくい場合でも、ステンレス加工では、はっきりと差が出た。今では30本のスーパーG1チャックを活用している」そうだ。
 スピーディオでは、多様な部品加工をこなしており「剛性のあまり高くない機械ほど、ツーリングによる差を実感する」との感想も。
 また、翌年2019年の設備では、ボリュームのある空圧機器関連の部品加工の効率化を図るため、ヤマザキマザックの複合旋盤、インテグレックス「j-200S」を現場に据えた。
 「当初、ツーリングは他社製オンリーだったが、スピーディオでスーパーG1チャックの効用が確認できていたので、今では半分までを占める活用状況となっている。他社製と比べ、仕上がり面がきれい。この複合旋盤は、量産対応なので、今後は、工具の節約に繋がっていくことを期待している」。
 スピーディオに30本、インテグレックスに20本の合計50本のスーパーG1チャックがこの現場で活躍している勘定になる。
 「次回の導入設備も複合旋盤を計画している。ツーリングは、スーパーG1チャックを軸に検討していきたい」と語りつつ、ユキワ精工に対し「小径加工で、コレットのセンタースルー、サイドスルーのバリエーションがあればありがたい」との要望が挙がった。

ヤマザキマザックのインテグレックス「j-200S」でも、スーパーG1チャックが活躍する
ヤマザキマザックのインテグレックス「j-200S」でも、スーパーG1チャックが活躍する

複合旋盤でもスーパーG1チャックの活用頻度が高まってきた-
複合旋盤でもスーパーG1チャックの活用頻度が高まってきた-