イワタツールでZOLLER製全自動工具測定機「GENIUS」をフル活用するタイミング到来。 タイと中国の両工場にも同機種を設備

株式会社イワタツール

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ZOLLER製全自動工具測定機GENIUS。2ミクロンの世界を安定して出せる魅力を語る岩田社長

  •  開口一番、ようやく「GENIUS」本来の機能を十全に発揮させる時機を迎えたと岩田社長は言う。
  •  「ドリルや面取り工具などは従来からの投影機で十分、対応が可能。だが、エンドミルに関わるコーナーRやラジアスの測定となれば、ツォラー製測定機は、まさに必須。当社の旬でもあるが、プロトタイプの販売に漕ぎつけた穴あけ加工用ヘリカルエンドミル標準化への強力な武器となる」と語る一方「GENIUS(高倍率仕様)は、導入から5年。これまでは、社内でプログラミングを組んで活用できるのは開発のスタッフに限られていたが、今では製造でも複数のスタッフが駆使できるようになってきて、日常的にGENIUSを意識するようになってきた」背景も活用を後押しする。
  •  投影機は、見え方により、2~5ミクロン程度の誤差が出るが、プログラムを作って自動化すれば、人による誤差はなくなる。
  •  「タイと中国の工場にも高倍率仕様のGENIUSを同時導入した。品質の共通管理を通じて、品質の安定化に寄与していくことができる。また、日本と違い、特殊品が多いタイや中国では、設備をアピールすることによって、顧客からの信頼に繋がるメリットがある」。
  •  少し、横道にそれるが、昨年のメカトロテックに参考出展した、前述のヘリカルエンドミルはスラスト力が従来の10分の1。薄板の穴あけ加工でも、ほぼたわまないと言う。
  •  「トルクがない場合や(機械の)剛性が低くても効果が期待できる。スラスト力があまりかからないので、特に薄板加工での効果を期待できる。スピードの点でも、ドリルよりもスピードアップできる可能性が高い」。
  •  1月からヘリカルエンドミルのプロトタイプが出荷、販売され、ユーザーからのフィードバックを得ながら、どのような条件でやれば最も効率的か、形状等も吟味しながら、トライアルを繰り返し、製品化していく考えだ。
  •  「当社は、これまでコーナーRやラジアスはほとんど生産してこなかったので、あまり測定の対象にはなっていなかった。GENIUSは2ミクロンの世界を安定して計測でき、ヘリカルエンドミルを含め、これからの当社の品質保証の重要な位置を占めることになる」。
  •  プログラミングの試行錯誤が繰り返されることだろう。
  •  GENIUSの直接の評価について岩田社長は「ソフトの使い勝手がいい。ロロマティックやANCA、牧野フライス精機など工具研削盤各社とのインターフェースと連携している、先進性が素晴らしい」と述べるとともに「工具の3Dスキャン測定や省力化のためのローディングなどの自動化を期待している」との要望も挙がった。 特に工具の3Dスキャン測定の自動化が具体化できれば「工具において数値化が困難な項目のОK、NGが即断できる」メリットがあるため「自社製品の3割は自ら確認しているが、その手間も一挙に省ける」ことになる。

計測のイメージをセットしてもらった

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