トグロンシリーズ深耕、PCD・PcBNドリルを出展。イワタツールブースでは、「インダストリー4・0」応用し、協働各社と工場内稼働状況の表示も

株式会社イワタツール

株式会社イワタツール

岩田社長

 

  •  イワタツールは、メカトロテックを前に、日ごろから交流のある地元企業や報道関係者を本社に案内して、懇親を深めつつ、最近の業績やメカトロテックでのアピール、オープンガレージ開設以降の利用形態など、岩田昌尚社長自ら率先してアテンドに務めた。

 

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  • いささか旧聞になるが一昨年の2015年、イワタツールが「愛知ブランド企業」に認定された。
  •  昨年には第二工場を改装してオープンガレージを完成させ、1階に汎用の機械を数台配置して「新卒、代理店、地域の子供、社内」向けに開放して、ものづくりの楽しみを「発見する」場を設けたのも、地元愛のなせる業だろう。
  •  「ものづくり王国・愛知県の製造業に関わる人手不足が深刻。まずは、ものづくりの楽しさを体感してもらい、興味を抱いてもらうことが大切」と岩田社長は言う。
  •  試作開発用のスペースの提供ほか、インターンの受け入れ、サイエンスに親しみながらのコーヒーブレーク、会社説明会やものづくり「合コン」ほか、オープンガレージを活用していく思いが膨らんでいる。  因みに2階は眺望のいい「カフェ」スペースとなっている。
  •  イワタツールの近況では「上半期を終えたが、前年同期比では売り上げは13%アップ、経常利益では25%アップと、まずまずの状況にある。下半期は同様に15%、40%のアップを予測している」と言う。
  •  昨年は、第三工場の始動と設備の増強、効率的な動線の確保など、増産体制を整え、手を付けられなかったトグロンハードドリルやSPセンターのサイズ追加、トグロンハードロングドリルのオイルホール付などにチャレンジしてきている。
  •  「トグロンシリーズの量産化シフトによって、社内比率で2割を占めるようになり、欧州での深耕と合わせ、国内でもさらに浸透させる事態到来、と受け止め、メカトロテックでは、工程集約の有力ツールとして、金型、部品加工現場へのアピール強化は継続して行っていく。また、PCDやPcBNドリルを出展、その反応を伺いながら、改良、改善につなげていく」そうだ。
  •  さらにメカトロテック会場では、共同出展社ブースを設け、「インダストリー4・0」を応用した各社工場内の稼働状況を表示するといった試みも。
  •  イワタツールと協力関係にあるトライエンジニアリングの代表がメカトロテック事前アピールとして「エンドミル、ドリル、バリ取り、タップ、極小径穴といった各種加工を1台のロボットで行うシステムを提案する。ツールチェンジャーで様々なツールを持ち替えができるロボットシステムは日本初」と語った。
  •  好調時に何をするかという問題意識で捉える来期は、工具研削盤の拡充、第一工場の空調設備の更新、集中クーラントによる環境改善、機械音を聞き分けるための静寂な空間づくり、廃熱利用による館内の暖房などを計画している。

 

  •  余談ながら、イタリアのチョコレート菓子の金型成形用切削工具としてイワタツールが採用されていることを付け加えておきたい。
  •  来年には創業90周年を迎える。創業の地・金山で、遊休設備・スペースを持つ他社と協働して情報発信していく「サテライトファクトリー」の実現を岩田社長は夢見ている。

 

オープンガレージでは、汎用機を操作、ものづくりの楽しみを味わえる

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チョコレート菓子の金型成形用切削工具をつくる

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