夢は福井県をロボット王国にしていくこと‐ウノコーポレーション社長。バリ取りロボット本格販売へ。

株式会社ウノコーポレーション

株式会社ウノコーポレーション

宇野社長の夢が語られた

  •  福井のウノコーポレーションを訪問し、宇野社長に、近況を中心に取材した。

 

 

  •  宇野社長の夢は福井をロボット王国にしていくことだと言う。
  •  「今後の需要では、無人化がキーポイントになるのは自然な流れ。当社でもバリ取りロボットを製作し、これから本格的に販売していくが、すでに相当の引き合いがある」。
  •  2019年に福井県の補助事業として採択され、具体化したものだが、宇野社長によれば「バリ取りばかりか、検査や梱包といった作業でもロボット化は必然になってくる」と読む。
  •  近未来の日本は、就労人口で3000万人が減少すると言われるが「3000万台のロボットで対応すればいい」との考えだ。労働時間のうち、半分をロボットで無人化を促す、そこに需要を見据えている。
  •  「当社でも中国人の営業スタッフを抱えているが、ヒトの問題は社内でグローバル化が実現できるかどうか、だと思う」

 

  •  さて、メインの工具関係だが、昨夏以降、景況の冷え込みで全体的には10%程度売り上げが落ち込んだ。
  •  「その中にあってエンドミルは特殊モノの需要が高く、目標にしていた数字の1・5倍。工場スペースの確保が課題になるほどだ」そうだ。
  •  工程短縮、無人化、長寿命・・・5Gのための設備や半導体関連の需要によって、オファーが増えているらしい。
  •  「バリ発生を抑制するワイパードリルも、評判がいい。自動車部品はもちろん、各種センサー類やレンズ関連、重機、建機、造船と幅広い需要層を抱えている。幅広い被削材に対応可能なことに、顧客からアドバンテージを見出して頂いている」。
  •  仕事量の減少によって、ユーザー現場にゆとりが生まれ、テスト加工やトライアルの機会が増え評価されてきたことも、引き合いから受注へと駒を進める原動力になっているだろう。
  •  「昨年からの米中貿易摩擦による中国へのリスクヘッジとして、また、直近ではコロナウイルスの広がり等を受け、ユーザーの現場では、既存の加工工程を真剣に検討している。たとえば、パレットチェンジャーで無人化を狙う現場が増えてくると、切粉のはけ方も重要になってくるなど、標準品とは一味違う、付加価値の高い工具に関心が集まってくる」。
  •  ウノコーポレーションの地元・武生では、県によるスマートファクトリー工業団地が整備され、樹脂で固めた固体電池の製造が始まる。
  •  「環境への負荷低減を考えると次世代自動車はEVではなくFCV(燃料電池)車かと思う。新たな需要発生は間違いない。来期以降、回復を期待している」。