世界初の4枚刃「ゼロバリX」を開発、リリースの時期探る福井のギケン。「テーパー部なくし、バリの発生防ぐ」

株式会社ギケン

株式会社ギケン

ゼロバリXの刃先を確認するオペレーター

  •  バリの発生をゼロに‐古くて新しいこの課題に挑み続ける福井のギケンを訪問し、石川社長に最近の取り組みを取材した。

 

 

  •  ゼロバリX‐昨夏完成させ、自動車関連の顧客を中心に、現在、テスト加工のトライアルで忙しい。リリースも間近に迫ってきた。
  •  「昨夏までは忙しくて時間が取れなかったが、以降、生産が落ち着いてきたので、テスト加工依頼が増えてくるなか、トライアルの機会に恵まれるようになってきた。最大の特長は世界初の4枚刃ドリルということ。1刃当たりの回転を重視し、送りも速くできることから、抜け代が非常に短くなり、特にクロス穴には有効だ」と言う。
  •  開発の背景としては、従来のゼロバリの切削条件を上げられないか、抜け代が短くならないかと言うニーズへの対応にあるようだが、ゼロバリX誕生の直接のきっかけは「某大手航空機メーカーとの共同研究開発のトライアルでヒントをもらい、従来のゼロバリをさらに進化させ、テーパ部をなくし、4枚刃とした」そうだ。
  •  被削材としてはアルミを起点に、鉄やSUS、インコネル、そしてCFRPTへと進めていく。耐熱合金向けも検討中だ。
  •  従来のゼロバリも大手重工メーカー、大手加工メーカーで評価され、知名度アップに繋がった。
  •  「ゼロバリの取り扱いの難しさもあって、当社はユーチューブを活用し、QRコードで詳細説明させて頂いているほか、カタログにもQRコードを付けプロモーションビデオが見れるように設定。ゼロバリの構造や特徴、その使い方が理解できるようにしている」。
  •  ギケンでは、標準品が7割、特殊工具3割という比率。
  •  「特殊工具は再研磨で返ってくるという魅力も大きい。当社の課題は、生産の安定化、無人化、検査体制の更なる向上と確立と言えようか」。