生産管理に見る人材育成と波及効果(サイトウ製作所)。仕組みでは現場の「階層」を細分化

株式会社サイトウ製作所

株式会社サイトウ製作所

齋藤社長

新入社員を迎え入れる季節の到来で、改めて人材育成とその仕組みづくりについて関心を抱くなか、サイトウ製作所の齋藤社長を訪問した。営業や生産現場に渡る、いくつかの側面に触れてもらったが、今回、5月号では、生産管理に関する成果について紙面化することにした。

 工具生産を担う工場では、どのような順番で受注案件に対応していくのか。
 「生産の順序は納期、効率等、様々な要素を鑑みて作成される生産計画が起点になる。しかし、そうして作られた計画も、納期短縮依頼、日々現場で発生する様々な要素で変更を余儀なくされる。昨今はシステムやソフト等ツールは沢山存在するが、重要な事は生産管理に携わる人が、変更ありきで計画を作る姿勢を持つ事で、結果として『設備保全の為の計画停止」も出来る様になって来た」そうだ。
 組織運営だけでなく人材育成も目的として、ここ数年、現場で多くの「階層」を設けるなかで、オペレーションマネージャー(実務を行う管理者)から、現場の手を離れ、マネージメントに徹するマネージャーを育ててきたと言う。
 「実務から離れることにより、大局的な考え方・行動が出来る社員が増えて来た。先の生産計画の姿勢もそんな環境から可能になってきたと考える」。
 人材育成と言うと新入社員が対象と捉えられがちだが、全社員、全部署に対して止まることなく継続する環境を持つ事だとの考えも成り立つ。