TGR-250αが、いいいよ新製品として、メカトロテックに登場 工具研削盤メーカー専業で再スタートした宇都宮製作所。再来期は創業100周年に

株式会社宇都宮製作所

株式会社宇都宮製作所

宇都宮社長(右)と小柳部長

  •  宇都宮製作所東京本社を訪問し、宇都宮社長、小柳技術部長に近況やニーズについてヒアリングするとともに、メカトロテック会場で「デビュー」を果たす新製品「TGR-250α」について取材した。

 

 

  •  宇都宮製作所製工具研削盤へのオファーの現状は、内製化設備としてのエンドユーザーからの需要が4割~5割と最も多く、次いで工具メーカー、再研磨メーカーと続いている。
  •  「4月~9月の上半期を終えて、受注ベースで前年上半期比4割増。一昨年のペースにはまだ戻っていないが、案件が着実に増えてきており、仕様打ち合わせも活発化してきている」と宇都宮社長は語る。
  •  中部エリアの訪問を終えて、同席してもらった小柳部長は「自動機へのニーズが継続して高い。ローディングなどの省人化設備への要望も多く、機内測定への期待も大きい。年々、高まる傾向にあるのが再研磨メーカーからの精度への拘りであり、競争の厳しさを伺わせる」とコメントする。
  •  メカトロテックでは、販売から10年を迎えたTGR-250の後継機として注目を集めていたTGR-250αがいよいよ、新製品としてデビューを果たす。
  •  「3月のグラインディングテクノロジー展でコンセプト機を出展させて頂き、砥石軸とクーラントノズル軸を自動で同時交換できることを目玉に据えてアピール。この間、手を入れたのは、直動ガイドをローラータイプに変更したこと、ベッドの剛性を見直したことだ」と宇都宮社長は指摘する。
  •  TGR-250αの特長は、宇都宮社長からも指摘された砥石軸・クーラントノズル軸を自動で交換できるタイプをオプション選択可能になったことだ。砥石交換ごとのクーラントノズルの調整が不要となり、段取り時間の短縮に繋がる。  ベッドの高剛性化では、ベッドクーラント循環機能も搭載し、熱変位の影響を最小限にとどめるとともに、各軸ガイドの耐久性向上にも配慮している。
  •  「新しい研削プログラム『ITPS8』にも注目頂きたいと思う。最新の対話型プログラムシステムで、ドラッグ&ドロップで加工工程の入れ替え、追加が可能。複合形状工具の製作、再研削の加工プログラムも簡単に行える」そうだ。
  •  さらに刃形状をセンサーで自動測定し、複雑刃形のネガランド加工が得意なのはアピールポイントだ。
  •  コロナ禍を意識したデジタル対応では、ホームページ(ユーチューブ)を活用した動画に視線が集まり「ホブカッターの再研磨閲覧数が断トツになった。また直近に公開したテーパボールエンドミル再研磨動画も好評」のようで、興味を惹く。
  •  今年度から、工具研削盤メーカーとして再スタートを切った宇都宮製作所。
  •  「10月で切削工具の生産が終了し、工具研削盤専業となる」新たなスタートも記憶に刻み付けておきたい。1923年に創業し再来期は100周年を迎えるからだ。

前回のメカトロテックの様子

前回のメカトロテックの様子