木工、金属加工用各工具を「建屋別で生産」模索する松岡カッター製作所。全スタッフが多能工化となることで、納期のボトルネック解消へ

株式会社松岡カッター製作所

株式会社松岡カッター製作所

松岡社長

 

  •  松岡カッター製作所では、昨年のソディック製ワイヤ放電加工機に続き、今年に入って、アマダのロータリー研削盤「SSR‐5」が現場に据えられた。
  •  「台金のフラット面の基準出し、寸法出しを行っている。従来、30分かかっていたところが何と3分。大幅な時間短縮をもたらしたが、そればかりか、面粗度も向上している」と松岡社長は語る。
  •  ほぼ毎年のように、設備更新、増強に余念がないが、治具を用いて、汎用機を使った作業の習得にも現場では熱心に取り組まれている。
  •  「NC機を操っていく際にも、役立つからだが、技能継承と言っても、かつて使っていたような機種は、段々と少なくなっており、使う機会そのものがなくなりつつあるのも現実。最新鋭機の導入は、ベテランから若手への、技能の技術への、それぞれの転換という側面を担うことに通じる」との考えを抱く。
  •  一方、短納期対応の道筋を模索する。  「工場は、工程別で木工用、金属用各工具生産しているが、できれば、木工、金属各加工用の工具生産を建屋を分けて旋盤、フライス、ロウ付け、刃付け研磨と、すべての工程を全スタッフが多能工となることで、納期のボトルネック解消を図っていきたい」というチャレンジだ。 さらに最近の傾向としては「当社ではPCD化の流れが、止まらない。昨年のメカトロテックで、PCDのTスロットカッターの短納期化を提案させて頂いたが、他の工具への関心に火をつけ、そのひとつのニーズの中から現在、PCDスパイラルエンドミルの試作に取り組んでいる。また、木工用のエンドミルも、耐久性との関連でPCD化がマジョリティーになりつつある」そうだ。  松岡カッター製作所は、66期に入った。
  •  「総勢72人で平均年齢は38歳。顧客から『課題』を聞き出す能力、それを『解決』する能力の獲得に磨きをかけていきたい。人材育成と設備投資は避けて通れない」。

 

ベテランスタッフによる指導は、「日常風景」だ

ベテランスタッフによる指導は、「日常風景」だ