新潟工場を統合する新工場が4月着工、9月完成に向け動き出す。

株式会社 栄工舎

株式会社 栄工舎

安部川洋司社長

  •  4月着工、9月完成へ―栄工舎の今年の新春話題に「新潟工場の増築」、その具体化が挙げられた。

 

  •  安部川洋司社長によると「新潟工場の増築により、前工程を手がけていた広神工場が統廃合される。同じ敷地内で、旋盤~フライス~熱処理~研磨~出荷までの一貫体制が整うことになり、往来がなくなることによる時間的なメリットも大きいが『リーマの公差は限りなくゼロに』といった顧客からの精度要求への対応から、超精密な『仕上げ工場』の役割をも担う。無窓、恒温恒湿ルームの設置など、徹底した温度管理によって、機械の寸法管理を突き詰めながら、1ミクロン単位で不良になるケースを抑え込んでいく」との新工場建設の意義を語る。
  •  製造に従事するおよそ65人が、一ヵ所で働くことになる。新工場建設に伴い、現工場の管理部門、検査室などは再配置され、効率の良い生産システムを再構築して「多能工化」にも弾みをつける考えだ。
    「ものづくり補助金を活用して、2016年は、ロロマティックXSやトランザーフィルターの濾過機などを導入、2017年も光洋機械工業製のセンタレスなどを設備していく計画。最近は、毎年のように1億円以上の設備投資を実施し、高精度、短納期対応への布石を打ちながら、生産余力を高めてきた」と設備投資への思いを語る安部川社長。

 

  •  利益体質を向上させていく狙いもある。
  •  営業面での狙い目として、第一線を歩く熊田実営業技術部長は「ボリュームが出てきた航空機分野は、引き続き注力していくが、一貫して右肩上がりを継続する医療機器関連分野にフォーカスしていく年にしたい。この分野は、従来は欧米系が多数を占めていたが、最近では、国内メーカーも力を入れ始めているからだ」。
    JIMTOF終了後、商社とのPR活動を主要エリアで実施したが「まだまだ、知られていない商材が多い。売り上げを問題にするよりも、認知度を上げていく方策を検討する方が、(数字を伸ばすには)近道のようにも思えた」と語った。
  •  9月半ばから開催されるEMOショーにも単独出展を決め、欧州での深耕を目指す。売り上げアップの「仕掛け」は、国内外問わない。