下半期は「超多忙」に転換、4月末には月産ベース3万本に手が届くレベルに。現状は「3直体制」で栄工舎・新潟工場は稼働

株式会社栄工舎

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安部川社長を囲むスザンさん(右)と新入社員のタルシャさん(左)は営業の国際化発展を担っていく

 

  •  栄工舎にとっての「景気の底」は昨年の6月~7月だったようで、安部川社長によると「9月末から少しずつ勢いが戻り、2021年を迎え今年に入ってからは、工場は3直体制を採らざるを得ない、超多忙の毎日を送っている」急転換を迎えている。
  •  目前の4月決算では、減収を余儀なくされるものの「何とか黒字を見込める状況に漕ぎつけそう」と安堵の表情を浮かべる。
  •  「生産本数ベースで見れば、一時は月産1万8千本レベルにまで低迷。その後、2万5千本にまで上昇し、4月末には3万本に手が届きそうな勢いにある」。
  •  上半期と下半期は、まさに「明暗を分けた」と言えるだろう。
  •  長野の国興、タックほか、地場で有力なディーラー主催のプライベートショーにも積極的に参加方針を打ち出す。
  •  5月以降の来期については「2019年レベル、売り上げで捉えれば13億円は突破していきたい」との目標を掲げた。
  •  設備投資についても、検討していく計画で「今期、ハイスから超硬への切り替え需要の拡大に対応し、牧野フライス精機製のV3とCN3を導入。溝と刃付けの工程を分け、効率化を図った。来期については、補助事業の認定をもらえるよう社内で検討し、次なる設備の候補をリストアップしていきたい」。
  •  因みに、補助金を得て事業展開している企業は、社会的にも評価、信用に繋がってくると安部川社長は語る。
  •  4月1日に訪問したが、この日、新入社員の入社式があった。紹介してもらったのはムクンダドゥラ・タルシャさん、21歳。スリランカ出身の男性で、立命館大学の国際部を卒業、社会人として「日本デビュー」を果たすことになると言う。
  •  「海外営業を担当するスザン主任の後輩に当たる。力を合わせて、海外営業強化の任に当たてもらいたいと思う」。
  •  栄工舎の海外比率は社内シェア10%。ベトナム、台湾、インドネシアでの伸びが牽引している。 「コロナ禍によって、海外への直接の訪問はできなくなってしまったが、Web会議が増え、逆に海外が身近に感じるようになってきている」と越智営業本部長が補足する。製品の動画の充実や関連する資料を求める声も高まってきたようだ。