受注、売り上げ共に「二桁増」達成へ。栄工舎・佐々木部長インタビュー。営業所スタッフの若返りをいかに図るか。

株式会社栄工舎

株式会社栄工舎

佐々木営業部長

 

  • 4月決算も目前に迫り、今期の栄工舎の「締め」の取材対象者として佐々木正城(まさしろ)営業部長を訪問、営業サイドからの「概要」を紙面化した。

 

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  •  受注、売り上げともに「2桁増」の可能性が高まってきたと言う。
  •  「何とか狙えそうです」と、ホッと一息つく佐々木部長。営業責任者の名を受けた初年度であり、緊張を強いられたことは想像に難くない。
  •  今期は、営業の責任者が新潟工場へ赴任、技術の責任者が東京本社勤務という「異例の」人事異動から始まり、初のEMОショー出展や、10月の新潟新工場(広神工場の移転統合)完成披露に、稼働スタートと、行事的にも多忙を極めた。
  •  「滅多にない、初めて、といった動きが連続し、社内的に慌ただしい日々に追われたが、市況的には好環境のもとに置かれていたと思う。サプライヤーが限定されている面もあるが、リーマの原点とでも言うべきハイスのハンドリーマや、高硬度鋼、ステンレス鋼といった用途別の超硬リーマの動きが良かった。もうひとつの柱であるミニカッターシリーズも、特殊対応、5軸加工向けで着実に伸長してきている」と語る。
  •  営業と製造との「距離」が近くなり「現場」からの連絡が増えてきたことも、対外的なリスポンスの速さに繋がっている。
  •  「早い話、風通しが良くなったと言うことだが、現在の工場長である越智、副工場長である熊田ともに営業出身。特に熊田は、何十年と営業畑を歩いてきたベテラン。私の昨年までの上司でもある。営業サイドへの理解は早く、対応も早い」。
  •  広神工場統合による新工場稼働によって、生産効率アップばかりに目が奪われがちだが、大胆な人事異動が、社内の「製販」を活性化させた点は特筆できようか。
  •  「需要の高いエリアは、やはり中部であり、なかでも自動車関連。パワートレイン系のラインもので採用が決まると、まとまった注文に。その頻度も増えてきているが、車載系の電子部品への対応、準備を意識していきたいとも考えている」。
  •  参考までだが、検討していた牧野フライス精機の小径用「SS7」の導入を決定したそうだ。
  •  将来の栄工舎を展望したとき、今やどの企業にも共通して言えることだが、人材の確保と育成が切迫した問題として「鎮座」している。
  •  「営業所スタッフの若返りをいかに図っていくか。5年、10年という括りでは、遅い。昨日入ったのでは?と思われる若手スタッフでも、早いもので3年、4年の歳月が流れている。エンドユーザーで見れば海外比率も増えてきているため、そのフォロー強化に動ける人材の層も厚くしていかないといけない」。
  •  人の悩みは、尽きることはない。
  •  「工具材料を手当てする逼迫度が高まってきたとは言え、もうすぐ、新製品が流通でラインナップされていく。来期も少しずつ、数字を積み上げることができる年にしていきたい」。