クライム(東京都・大田区)でのユキワ製スーパーG1チャック評価。振動が少なく、切削音も静かなうえ、バリの発生も抑制

株式会社 クライム

株式会社 クライム

スーパーG1チャックを手にする宮﨑龍一さん

  •  道路を修繕する工事現場などで、コンクリートを破砕し、除去していく機械を目にしたことがあるだろうか。文字通りコンクリートカッターと言うネーミングらしいが、昭和51年創業のクライムでは、このカッターを構成する、数百点にも上る部品の大半を自社で製作し、組み立て、販売している。
  •  創業者の子息で製造を担う宮﨑龍一氏は「コンクリートカッターメーカーは、日本では現在、当社を含め2社しかない。受注及び販売は商社ルートを通じて行っているが、月産で5台、6台のペース。エンジン以外は、ほぼ自社製造できるのが強みだ」と語る。
  •  製品名は社名から命名されたクライムカッター。頑強さを追求した結果、立方体構造を採用していると言う。
  •  「正確に組み上げていくためにも、部品ひとつ、ひとつの精度が問われる。現場での作業手順としては、エンジンを始動させ、出力軸に伝えて、ベルトで繋いだブレードシャフトを回転させて切断していく。装着されるのはダイヤモンドブレード」だと言う。
  •  注文への対応では、部品在庫を切らさないようにするのがポイントで「2~3か月のスパンで部品加工の工程を組んで、部品在庫をストックしており、早ければ3日、4日でコンクリートカッターの納品ができる。仮に部品を切らしている場合でも(自社製造できるため)、10日頂ければ何とか納入できるかと思う」。
  •  設備はオークマ製のCNC旋盤「3000LT」を含む2台、マシニングセンタはブラザー工業のマシニングセンタ「スピーディオ」、他に大日金属の汎用旋盤などが設備されている。
  •  ユキワ精工のツーリング「スーパーG1チャック」との出会いは10年前に遡る。
  •  「新規のブラザー工業のスピーディオ導入時に、今は廃棄されたが、当時、40番主軸のエンシュウ製マシニングセンタで鋳物加工を難なく行えていたのが、30番主軸のスピーディオでは上手く削れず、ツーリングをどうするかという話になった。エンシュウ製に装着されていたツーリングがユキワ製だったこともあり、一度、最新のツーリングだったスーパーG1チャックで試すつもりで注文することになった」のが経緯のようだ。
  •  で、結果はどうなったか。
  •  「剛性の高さを証明しているのだろうが、加工が非常に楽になった。ワークの切断面がきれいで、寸法精度も上がった。振動が少なく、切削音が静かになり、バリの発生も抑制され、後処理がスムーズに。まさにいいこと尽くめになった」ほか「プーリのキー溝加工でもスーパーG1チャックを採用し、時間短縮に繋がっている」そうだ。
  •  コンクリートカッターのサプライヤーが国内で2社。安定と安心を今後とも期待するユーザーは多いだろう。

 

クライムコンクリートカッタ—の内部

クライムコンクリートカッタ—の内部

 

スーパーG1チャックの採用で鋳物加工も楽々に

スーパーG1チャックの採用で鋳物加工も楽々に