継続課題は顧客の生産総数拡大と省人化への対応。東陽・羽賀社長に聞く。ファナックロボット最新技術セミナーも

株式会社 東陽

株式会社 東陽

ロボットの実演に見入る

 

  • プレミアムフェア開催中(3月8日、9日)、羽賀象二郎社長に今期の総括的なヒアリングを試み、紙面化した。

 

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  •  顧客は目の前の仕事で忙殺されている、と言う。
  •  「人手不足もさることながら、生産総数を上げつつ、省人化も併せて対応することの難しさがある。たとえば、ロボットを現場に導入して、どのように活かしていくか。提案させていただく我々にとっては、自動化、搬送などを含めた、トータルな省人化提案、サポートを深化させていくうえでも、顧客の様々な現場の特徴を掴んでいくことが課題になっている」。
  •  2017年度をシンプルに特徴づけてもらうと「全般については国内が忙しくなってきた1年だった。が、上期は、仕事量は安定していたものの、納期の面が大きく、下期に入ると、一転、生産総量の拡大への対応に追われるようになっていったという違いが見出せる」。
  •  たとえば、工作機械の長納期化で、顧客の、自動車のモデルチェンジに間に合わない事態に直面することも。
  •  「顧客は、次世代の自動車云々ばかりか、むしろ、現行の自動車に対して、極限にまで生産性を高めていくことに腐心している。忙しさの『源泉』はここにあると言っても過言ではない」。
  •  2018年度については「工作機械に象徴されるように、上期のうちから『次の動き』を描いていかなくてはと思う。ただ、加工総量の伸びから、消費もの、特に切削工具の需要拡大に期待したい」。 導入メリットの第一は「ポカミスの排除」 ファナックロボット最新技術  東陽・プレミアムフェア併催のセミナー「ファナックロボット最新技術」に顔を出した。ロボット導入にあたっての参考としてまとめてみた。

 

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  •  ファナックでは現在、月産7000台、需要の拡大に伴い、同11000台の増産体制を採っていくと言う。
  •  「当社のロボットは、すべて生産向けで、出荷台数ベースでは累計52万台。安心して使っていただくため、『壊れにくい』をコンセプトに、コンポーネントは自社で設計、生産。リペア対応も容易で、お使い頂いている限り、いつまでも保守を担当させていただいている。サービス網は世界261拠点」と対応含めた実績に言及。
  •  可搬重量がロボットの基本スペックになるようだが、ファナックでは、0・5キロ~2300キロの範囲。
  •  「導入メリットとしては、ポカミスを排除する品質安定化メリットを第一に挙げたい。当社のロボットの特長としては、粉塵が舞うような、悪環境での信頼性の高さ。外気がキャビネット内に入らない、熱交換器を介した密閉構造を採用。ものに衝突した瞬間、自ら検知してロボットが停止する衝突検知機能も備える。知能ロボットシステムとしてはビジョンセンサ(視覚)による周辺機器の簡素化をはじめ、バラ積みの取り出し、コンベアでランダムに運ばれてくる部品のズレを補正しながらトレイに整列させるなど、多様な用途に活用可能。また、力センサ(触覚)では、4種類の力センサで小型から大型のロボットまで対応。治具のワークへの取り付けや指定方向への押し付け力の制御、位相合わせと位置の探索を伴う嵌め合わせなどに適用できる」とファナックロボットの概要をまとめた。
  •  このほか、シミュレーションしていくためのツール「ロボガイド」や故障診断の情報、減速機の故障予知などが把握できる保守・診断機能「ゼロダウンタイム機能」、世界初の高可搬タイプ(35キロ)の協働ロボット(人とロボットが一緒に仕事をするタイプ)などの紹介がなされた。

 

「ロボット最新技術」セミナーの様子

「ロボット最新技術」セミナーの様子

 

初日は、あいにくの雨だったが、入場者が途絶えることがなかった

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