石川工具研磨製作所の新工場は来春着工、2020年中の完成へ。今期の「成績」は対前年横ばいに。

株式会社 石川工具研磨製作所

株式会社 石川工具研磨製作所

新工場は来春に着工、年内完成を目指す(駐車場の解体を終え、現在は更地の状態)

  •  石川工具研磨製作所の今期を締めくくってもらうべく、石川直明社長を訪ねた。
  •  「年初のスタート時点から前半はあまり良くなかったが、後半から再研磨の分野が寄与して好転。結局、通期では前期並みに落ち着く結果となる見込みだ」。
  •  社長就任以来、順調に売り上げを伸ばしてきた、この点で見ると「初の横ばい」となる。働き方改革の影響も出たのか、1社あたりからの受注量が下がったとの指摘もなされた。
  •  「3年前に比べ、陣容の面で50人弱から70人強となり、設備も増強した。管理者教育も並行して展開してきており、仕事量が今後増えてきても、活かせるかと思う」。
  •  ヒトと設備への投資は緩めることなく進められた。だが、戦略性という面では「次なるステージ」を準備すべく、新工場建設が具体化している点に触れない訳にはいかないだろう。
  •  「隣接の駐車場スペースを取り壊し、現在は更地の状態。来春に着工する。現有工場とほぼ同規模で、来年2020年中の完成を目指している」。
  •  1階を工場とし、2階には管理部門や福利厚生関係のスペースを設け、生産性の強化と社員の満足度を上げ、より良い製品づくりに繋げる計画。
  •  「工場は稼がないものという考えではなく、稼ぐ工場を考えレイアウトを決定している。再研磨と製造それぞれの再配置を考慮して新旧各工場をどのように活用していくか。非切削時間の活用法や自動搬送機の導入等も視野に入れた工場運営に努めていくことになる」。
  •  同社の業務は、再研磨8、製造2の割合であり、再研磨の月間対応本数はおよそ2万5千本。エンドミル、次いでドリルが核を成す。
  •  「製造分野では、改善提案が重要になるが、その際、他社と比較して負けない優れた技術を発信できるようにしていき、様々な新規分野を展望していきたい。その意味でも研究開発が益々、重要になってくる」。
  •  来期の設備では濾過機の分野で、米国製トランザーフィルターを追加導入する考えだ。
  •  「集中濾過方式で、V‐21を設備していく。およそ25台のCNC工具研削盤をカバーできるようにする」と言う。
  •  2020年を展望してもらうと「横ばいから下降局面も予想されるが、一部のお客さまでは回復を期待する面もあり、納期短縮の実現を通じて、オファーを得ていければと考えている」。
  •  また、今後は社内のジョブローテーションなどおこない、さまざまなシーンに対応できるスタッフを育成し、次のチャンスに備える計画を進めている。

 

 

V15-V21 - Expandable 鳥観図

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石川社長

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