牧野フライス製作所から新分野開拓に向けレーザー加工機ルミナイザー、eGRINDER・BG500投入

株式会社牧野フライス製作所

株式会社牧野フライス製作所

独特のフォルムを見せているルミナイザー

  •  牧野フライス製作所の新たな試みに視線が集まっている。
  •  昨年11月にプレス発表されたレーザー加工機・LUMINIZER(ルミナイザー)、eGRINDER・BG500は、いずれも「脆性材市場」への本格参入を最も意識してリリースされた新製品であり、広報担当者は「ルミナイザーは、回転工具では、実現の難しいサブミクロン分野への進出であり、特に脆性材加工で優位性を発揮していきたい」「BG500は、5Gや自動車の自動運転に関わる半導体やセンサー等の需要拡大による、特に脆性材の利用領域での活躍に期待できる」として、一様に脆性材市場への参入を宣言した形だ。
  •  ルミナイザーは、数千度まで上昇するレーザーをジェットの力を利用して「水の柱」で覆い、誘導して、効率の良い穴あけ加工などを実現していく。航空機のタービンブレードの冷却穴加工、医療分野のステント加工、PCD/CBN工具の形状加工ほか、EV化に伴う劇的な需要発生が見込まれるCFRPの加工も視野に入れていると言う。
  •  既存の機械加工では、加工が難しい、炭化ケイ素、窒化カリウム、ジルコニア、アルミナ、ダイヤモンド焼結体等の脆性材を容易に加工できる優位性が何よりも魅力になるだろう。
  •  一方、BG500は、金属を刃物で削る=切削加工から、非鉄金属を含めた研削加工ニーズの高まりを背景に「穴を開ける」「形状を作る」マシニングセンタとしてリリースされた。
  •  半導体や通信機器分野等の高精度化、微細化プラス安定した量産ニーズから生じるのは生産性向上とランニングコスト追求の両立だろう。 BG500では、GI‐Gridingと呼ばれる新制御技術を駆使することで、研削加工における高速・高精度加工と工具寿命を向上させる最適な送りを実現させ「加工速度3倍」×「工具寿命3倍」を達成すると同時に、電着砥石測定システムの採用によって「視える化、標準化を経て自動化を可能とする」ことで人による確認の手間を省くことが期待できる。
  •  このほか、昨年末に「中・大物金型への取り組み」としてリリースされた新製品として、5軸の立形マシニングセンタ「D2」が挙げられる。
  •  「金型の8割が自動車関連で占める」と言われるなか、立形MCが手がける金型形状部と横形MCが担う金型構造部の加工を1台で両立、工程集約の役割を担っていく。