ロジスティックセンター建設着手、来年3月完成へ。「フロアスペースの確保で受注への柔軟性を向上」(牧野フライス精機・清水社長)

牧野フライス精機株式会社

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清水大介社長。顧客からこのほど寄贈されたC40に先行する万能工具研削盤2Cとともに。

 

  •  来年3月完成を目指し、ロジスティックセンター建設工事がスタートした。

 

 

  •  清水大介社長は「昨年は、生産の『本丸』とも言える第二工場が完成し、従来比で1・5倍の生産能力を発揮していく体制が整った。が、生産のフレキシビリティーを確保するうえで『スペース』という課題が残っていた。ロジスティックセンターの完成によって、受注への柔軟な対応という、調整能力アップを図っていきたい」と建設の意義を語る。
  •  2015年に創業50周年を迎えた、その前後から、本社の管理部門含む工場の建て替え事業がスタートし、好調に推移する受注への対応とともに、次代を見据えていく「基盤」づくりが始まったと言えるだろうか。
  •  「現下の受注という点では、AGE30とMG30が1位、2位を占めるが、並行して我々は工具製作の前工程、後工程の充実にも努めてきた。円筒研削盤のTAD、測定のprocam ®であり、今後とも工具メーカーへのトータルな支援を追求していきたいと考える」。
  •  昨年リリースされたTADの立ち上がりも、悪くないと清水社長はコメントした。すでに見積依頼も、相当、舞い込んでいる。
  •  トピックス的になるが、2017年度という括りでは、海外向け売上の割合が過去最高になる見込みだと言う。 海外向けに売上の割合、4割見込むレベルに 駐在体制強化も奏功
  •  「受注は高原状態を維持しながらも、ここ3、4年の間で、海外のウエートがアップしてきた。今期は、国内6割、海外4割と想定できよう。ローカル比率も高まってきている。中国を中心にアジア全般が伸長しており、その理由として、需要の高さもさることながら、当社の海外駐在員の体制強化によって、顧客への安心感の広がりも寄与していると思う」。
  •  因みに小径工具づくりに特化した「SS7」は、海外の売り上げの方が高いそうだ。
  •  2018年全般について清水社長は「大きく崩れるような要因は見えてこない。国内外ともに成長路線を描いていきたい」としつつ「顧客とともに歩むという考え方に従い、本社にソリューションセンターを創設していきたい。提案能力を付けていく、営業力強化の一環ともなり得ると思う」。

 

 

  •  (取材メモ)  清水大介社長は、今年の6月で社長就任丸10周年を迎える。連続加工の安定性、剛性の高さを評価されて売れ行き絶好調のAGE30は、筆者の目線では、2008年に社長になった清水大介氏のイメージに重なる。来期以降の「仕掛け」が益々、楽しみになってきた。

 

来年3月のロジスティックセンター完成に向け、解体工事が始まった

来年3月のロジスティックセンター完成に向け、解体工事が始まった