7月から「営業〜アプリケーション〜サービス」一貫体制で臨むANCAジャパン 板倉社長インタビュー「顧客との時間の共有が何よりも大切」

ANCA Machine Tools Japan株式会社

ANCA Machine Tools Japan株式会社

板倉社長

  •  今までANCAが日本国内で採用していた総代理店制を解消し、ANCAジャパンは、7月から、営業、アプリケーション、サービスの一貫体制で顧客に臨むことになる。
  •  昨年10月から代表を務める板倉社長は「顧客との時間の共有が何よりも大切と考えている。毎週のようにPCR検査を受けており、常に訪問を意識。陰性が確認できれば、まず、お会い頂けるのが現状で、ユーザーに寄り添う存在でありたい」との基本的な考えを語りながら「当面はメカニカルなサポートを重視し、現在、サービスエンジニアを募集している。特に念頭に置いているのが関東方面の強化。拠点を設け、関東を中心に東北、信越方面をもカバーしていきたい。結果的に中部、関西の充実にも繋がる」との体制強化に言及する。
  •  ANCAジャパンには社長就任前の昨年5月より、マネージャーとして入社していた。
  •  自己採点的にANCAの評価ポイントを挙げてもらうと「優れたソフトにCNCも自前という点ばかりか、どの砥石にどのような負荷がかかっているか、各軸のモニタリングが可能というのも興味深い。言わば機械自身による見える化を達成していることのメリットは大きいだろうと思う」。
  •  今後の新機軸として板倉社長は以下の3点に触れた。
  •  ひとつ目はホームページにも掲載されているオートメーションシステム「AIMS」(統合生産システム)だ。
  •  「段研のCPXリニアに始まり、TX、MX、FXによる工具研削を経て、ZОLLERさんとのコラボレーションによる測定、レーザーマーキング(5月にプロトタイプ機が完成)という一連の流れをロボットと連携して自動化し、点と点を繋ぎ線とするなかで、顧客からの要望を組み込んで面としていくことを追求していきたい。人為ミスを抑え、非加工時間を極力排除していくことに狙いがある」。
  •  ふたつ目は、工具研削盤についてはFXの拡販に軸足を置いていく。
  •  「別言すれば、日本市場でのアドバンテージとも言える小径分野でのサポートに積極的に関わっていきたい。FXは省スペースで、対象工具も径がコンマ0・5~12ミリまでの小径まで織り込んだ、少量から大量生産までをカバーする。製作ばかりか再研削にも適している」。
  •  現状での日本市場での導入実績ではMXが高いと言う。
  •  そして、みっつ目が再研削用途への深耕にある。
  •  「ANCAはソフトに長けている工具研削盤メーカー。再研削に留まらない刃先の改造といった領域にまで踏み込んだ提案も得意としている。顧客は圧倒的に工具メーカーが多いが、再研削用途にも大きなポテンシャルを感じている」。
  •  販売に当たっては、直販、商社を通じた流通のどちらでも「お求めやすい方法で対応させて頂く」。
  •  アプリケーション、サービスの「深化」はもちろん、初のメーカー営業の「進展」に注目していきたい。