今後の設備の方向性は、自動化の推進による2直24時間体制確立。人が介在する工程は外注へ‐シー・ケィ・ケー

CKK株式会社

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設立10周年を迎え、記念祝賀会を開催

 

  •  この2年間、国内工場、特に本社、山口工場では、人を増やさずに生産性アップを図ることに邁進してきたと言う澤田秀司社長。
  •  「一般社員が自然減していく中で、逆に実績のある管理職の積極的な登用を図ってきた。設備投資を控えるなか、機械の稼働率を上げ、在庫や受注管理等についても効率的に行えるようになり、3月までの対前年比で15%アップの増産が達成できた。トータルな人員ばかりか、今後の働き方改革に向け、残業時間も減らすことができている」との成果を語る。
  •  納期遅れはほぼ発生しておらず、欠品もない。
  •  「今後の国内の設備投資の方向性は、自動化を推進していく中で2直24時間体制を構築していくこと。トライアルしてきたが、ようやく目途もついてきた」そうだ。
  •  生産内容を吟味すれば、ユーザー仕様への対応を図る特殊工具が増えてきている。
  •  「量的には大きな変化はないものの、付加価値の高い工具の需要を取り込んできたと言い代えられようか。なかでも総型工具は多い」。
  •  自動化推進の延長線上に関わるが、人が介在しないと成り立たない工程、たとえば、前加工的な仕事などは、外注に出していく方針。
  •  「すでに当社にノウハウが蓄積されており、指導も可能だからだ」ときっぱり。 量産の沖縄工場は既に生産スペースに限界 移転も検討へ  量産に特化した沖縄工場は、すでに生産スペースがいっぱいの状況にまで生産が増えてきた。
  •  「設備はロロマティックのみ。幹部教育に力を入れてきて、2年目という早い段階で現地採用のスタッフだけで、仕事を回せる状態に近づいている」。
  •  海外に目を移すと、中国・大連は、設立から節目となる10周年を迎えた。
  •  「昨年1月には商社の澤田工具を立ち上げ、製販を分離。この間、中国市場の冷え込みがあるものの、新規獲得で、何とか、全体として横ばいをキープしている」。
  •  貿易を中心に展開してきたタイは、昨年から小径に特化して再研磨事業をスタートさせた。
  •  「前年比で30%アップの売り上げ増を達成している。ワルター製工具研削盤を移設して、更なる受注増を獲得していければ、製造工具販売にも繋がり、両者のシナジーが、より高いレベルで追求できる。だが、汎用機を駆使できるスタッフの能力によって利益面でもタイは進展してきた」。
  •  総じて国内は「効率の追求」、海外は「棲み分けと特化」で躍進しているようだ。
  •  ただ、シー・ケィ・ケーの取り組みは、目の前の対応だけに追われている訳ではない。20年、30年先を見通した時、切削工具という仕事はどうなるのか、との問題意識のもと、2年前から航空機メーカー、大学との『サポイン』事業を推進し、一定の成果を得てきた。
  •  「主題は2点あり、ひとつは刃先の超鋭利化。超硬チップで刃先丸みR0.05ミクロン以下の刃先研磨技術の研究に成功している(一般市販品工具の100/1までの鋭利化を達成)。切削熱の抑制、加工歪みを防いでいくことが目的だ。もうひとつは、工具材料の組織の組み替え。均一化していくことで硬度がアップ(理論値で3倍)し、工具の寿命を大幅に増大させることができる」というものだ。
  •  競争に晒されない市場の創出‐澤田社長の目線はここにある。

 

澤田秀司社長

澤田秀司社長