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  •  2020年の幕が上がった。景気はいい時も悪い時も長くは続かないという言葉を今一度、噛み締めている。
 
  •  今年の工作機械受注見通しが1兆2000億円と、日工会の飯村会長が発言し、その後、業界幹部の間では「無難な予想」と大方の人が、この数字に「同意」した。秋口までに底を打って、反転し、上昇への道筋を誰もが期待していると言うことだろう。
  •  米中対立とその負の影響は、世界中を巻き込んで、景気の足を引っ張り、先行き不透明感を否応なく増幅させたが、需要そのものが吹き飛んだわけではない、と誰しもが考えている。5Gをはじめ、半導体分野の需要、航空機関連の堅調な足取り、EV・FCV・自動化など、次世代自動車づくりから発生する新たな需要、少子高齢化を見据えたAIの活用やIoT化、自動化、ロボット化から生まれてくるニーズ・・・確かに需要が吹き飛んだわけではない。
  •  2018年まで継続した過去最高を塗り替えてきた好況さによって蓄えられ内部留保も、落ち着いた判断のベースにあるのか、賀詞交歓会に出席した各社代表の顔も決して暗くはなかった。  ただ、足元の景気は良くないのは事実。工作機械の生産は、未だにフル稼働を呈している現場がある一方、受注の厳しさから、先を見込んで工場生産をペースダウンするところも出てきており、その影響で量を当てにしてきた外注先で困った企業も出てきている。
  •  工作機械ばかりか、切削工具も大手を中心に対前年比で2割から3割の減少を見ており、落ち幅としては、無視できない。ただ、工作機械とは違い、在庫調整が進み始めれば、やがて実需と連動し、必要な加工には必要な工具受注が期待できるうえ、難削材や高硬度材といった加工には、付加価値の高い工具ニーズがさらに発生し、プラスαも望めるだろう。
  •  現況ばかりか、将来を見据えた人材育成にも積極的な取り組みが目立ち始めた。団塊世代でも優秀な方には契約延長が繰り返し行われ、技術伝承に重要な役割を演じてきたが、いよいよ、待ったなし。熟練技のAIへの置き換えとそのトライアルへの本格的な着手が始まろうとしている。
 
  •  さて、2020年は7月からオリンピック・パラリンピックが開始される。開催地が東京に決まってから随分と歳月が流れたように思われるが、ついに来た、感慨深げに待ち望む人も多いかと思う。テンションを上げていく契機になれば、これに勝るものはないだろう。