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  •  JIMTOFが開幕を迎える。
  •  出展各社は、現下の高い受注をこなしながら、技術の最新動向を披露していくため、試作機、参考出展といった、今後の需要を刺激する取り組みに神経を集中させてきており、各ブースでは、「最先端」に関わる情報交換、意見交換が支配的になると思われる。
  •  工作機械業界は「受注2兆円」を射程に捉え、従来のおよそ2倍の規模にまで成長、発展を展望できる段階に到達した。だが、長納期化する課題解決の糸口が見えておらず、人手不足が追い打ちをかけているのも現実であり、特に下期に入ってからは「納期回答ができない」状況がすでに表れ始め、ユーザーからの発注にブレーキがかかり始めているとの指摘も出てきた。
  •  発注する側から見れば「納期はいつか?」は最大の問題事。設備計画は、生産計画に直接、影響を与えるだけに、実に悩ましい事態と言えるだろう。
  •  国内需要は、自動車の国内生産が伸長していない点を捉えても、高い伸びがある訳ではない。複雑化、高度化するワールドワイドでのサプライチェーンが絡み合い、中国のような「政策」を含めた需要の創出も、微妙に刺激し合うなか、「なぜ、高い需要が発生しているのか」との問いに明確に答えられる人はいないと思う。
  •  高い需要は歓迎すべきことではあろうが、ではなぜ?に対する回答が見出せないなら、今後の経営判断に大きく関わってくる。「景気がいい時も悪い時も長くは続かない」からだ。
  •  しかし、生産財各社への取材活動では楽観的な意見を述べる人が多い。注残への対応といった喫緊の課題への対応に日夜追われ、先行きを見通す時間的余裕が見出せないからだろうか。好調な市況感を否定するような事態が発生していないからだろうか。
  •  だが、マクロ的にはアメリカと中国との貿易摩擦、その影響はどうなるのか。双方の制裁による経済的ダメージは、二国間だけに留まらない。むしろ、関係する諸外国の方が、深刻な事態となって跳ね返ってくる可能性が高い。
  •  リーマンショックから10年が経過し、振り返る特集が新聞や雑誌で企画されている。当時、生産財マーケットは、JIMTOFを終えた後「まさか、の坂」を滑り落ち、その激震ぶりは「バンジージャンプ状態」と言われたもの。リーマンショック‐アメリカに端を発し、世界を揺るがした経験を我々は忘れていない。その意味でも、JIMTOF開催前後を通じて、米中の今後の貿易摩擦の行方を注視していきたい。