セラティジットジャパンが今期10億円の大台へ、ユーザーの海外移転のタイミングに合わせた需要刺激も

セラティジットジャパン

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セラティジットは3月に独アウグスブルグで開催されたグラインドテックにも出展した

売り上げ8億円を突破し、過去最高を記録したセラティジットの今期の目標は、約30%アップの10億円。

 

馬場雅弘社長は「前期は大口ユーザーからの新規採用案件が入り、ベースを押し上げる形となった。今期は超硬丸棒素材はじめ、耐摩用素材の拡販に力を入れ、大台へと向かいたい。当然、新規獲得も目標になる」。

セラティジットグループの超硬丸棒素材の年間焼結量は3000トンと世界トップ。日本でも売り上げの3割以上を占める材料メーカーとしての「顔」の比重は大きい。

「我々が着目するのは、ポテンシャルユーザーが海外に進出する場合であり、品質、コスト、納期など、トータルに再検討するタイミングに合わせて、提案できればと思っている。特に日本を含むアジア市場で、CBセラティジット製の拡販に繋げていくチャンスを、ひとつ、ひとつ具体化していきたい。ワールドワイドで展開できるメリットを活かさない手はないと考えるからだ」。

欧州本社は開発に重心を置いており、最近でもR&Dセンターを増設。人を含めた技術交流を通じて、CBセラティジットの技術力のレベルアップにも寄与してきている。生産量という点では、中国・アモイ工場での生産設備増強に着目していきたい。

また、海外進出のみならず、顧客の新規展開は「国内でも、動きがある」。いかに速く情報をキャッチし、事業に繋げていくか、というのも、新規顧客獲得の「要諦」となろうか。

馬場社長は「この業界の景気の先行指数はいくつかあると思うが、私はやはり、住宅や自動車の売れ行きを気にしている。個人消費における高額商品の代表格であり、経済全体のマインドを左右するからだ」。

売り上げ10億円が達成できれば、「次なる課題」を達成していくためにも、ジャパンとしては、内部固めが、いよいよ、浮揚してくる。

「西日本、東日本の体制を整えて、規模に相応しい展開ができるようにしていきたい」。