シー・ケィ・ケーが標準工具をLDeraと命名。メカトロテックに初出展し、アピールへ

LD自動装置
シー・ケィ・ケーが日本市場に向け、レーザードーピング(LD)を活用した標準工具の浸透に注力している。
澤田社長は「LDera(エルディラ)と命名し、転造タップの下穴加工用のドリルとして、今年から販売のスタートを切っている。工具寿命が従来比2倍~3倍は伸び、限定されたユーザーではあるが、他社からの切り替えを進めていただけるケースも増えてきた。お試し用のサンプルも用意しているのでご活用いただければと思う」と語る。
詳細は省略するが、試験的に導入した大手メーカーから、工具寿命が3倍になったとの評価を得て、国内工場ばかりか、海外工場でも、適用される可能性が高まっている。
LDは、レーザーを適用して他元素を工具材料に注入して硬化させ、元素の結合力を強化し、さらに被削材との化学反応を抑制することによって、工具寿命を条件次第では、最大で30倍に伸ばせるという驚くべき結果が出ているばかりか、性能の点でも能力アップが図られ、加工時間の短縮にも期待が持てると言う。
「工具寿命が伸びれば、段取り替えが少なくなり、機械が止まっている時間も減ってきて、生産性アップに直結。人手不足にも貢献していく。当面は、結果が分かり易い量産現場をターゲットに置いている」。
もちろん、工具の長寿命化によるコスト削減や、段取り替えの減少によって、ワークのバラツキを抑えることができる利点も指摘できよう。
「LDは、部分的に適用することが可能なので、工具全体ではなく、キーとなる刃先部分に絞った照射も可能だ。また、現時点では、工具への適用に限定しているが、(長寿命化の)効果を出したい部位に限定して照射することができるため、適用分野に制約はない。超硬ばかりか、鋼材であれば適用は可能。試作の分野、部品加工関連でも、使用頻度が高ければ、LDの活用を意識している」。
LDeraに限ったことではないが、効用は使ってみないとわからない。
「10月のメカトロテックに初出展し、LDeraについて、アピールしていく一方、今後の販売体制の確立、在庫のあり方を検討していく上で、流通商社との関係を築いていく第一歩にしたいと思う。ともあれ、認知度アップは、ブランド確立の上でも避けて通れない」。
転造タップの下穴加工用ドリルとしてスタートしたLDeraが、今後、どのような応途範囲を網羅し、ブランドとして確立していくか、注目していきたい。
シー・ケィ・ケーは、現在、国内は愛知県・本社工場、山口工場、山形工場のほか、沖縄にも関連工場を擁しており、海外は中国(大連、蘇州)に生産・販売拠点、タイでは販売と再研磨事業を展開しており、グループ全体の売り上げでは28億円規模となる。