ユキワ精工ツーリングユーザー「長谷川工業所」。刃長100」mmのハイスのエンドミル加工で上下寸法100分の1以内に

有限会社 長谷川加工所

有限会社 長谷川加工所

スーパーG1チャックの適用で、上下寸法が100分の1以内に収まったほか、仕上げでは加工時間30%短縮

「日々、対応力が試される」‐そう語るのは、半世紀以上にわたって切削加工業で実績を積み上げてきた長谷川加工所の、4代目の代表を務める長谷川一英社長だ。
 「自動車の金型部品をはじめ、半導体分野や建機といったインフラ関連など、取引先の業種は実に多様で、しかも一か月の仕事量は読めず、日々、受注内容も変化している」との業務内容を語る。
 加工材質はアルミ、SUS、鉄が中心。1ロット1個、2個の多品種小量で、ワークの大きさも様々。しかも、初めての仕事がほとんどだと言う。
 「表裏加工で対処していくような、複雑形状の案件も多く、他社で断わられて、回ってくるケースも少なからずある。市販の工具で対応が難しい場合は、自社で要求に見合った工具の製作も行う」という熱の入れようだ。
 受注に際して従来は口コミが多かったが、今では難加工展といった展示会にも積極的に出展し、自社のアピールに努めている。
 直近の動向では、2020年以降、顧客の拡大、仕事量の増大が顕著となり、設備のNC化を通じた稼働率アップへの取り組みが進展している。
 「この5年間は、弊社にとって、大きな転換点で、特に設備では、5軸マシニングセンタによるワンクランプでの多面加工やパレットチェンジャー仕様機導入など、稼働率アップに留意してきた」。
 活用頻度の高いのは、3軸のオークマ、5軸のヤマザキマザック、それぞれのマシニングセンタだが、将来に向けて、打って出るためにオークマ製門形マシニングセンタや旋盤でも800角まで対応する、懐の深さを意識した設備に配慮している。
 「ユキワ精工さんとの出会いは今年の4月で、愛知県の取引業者からの紹介。何パターンかのスーパーG1チャックのテストで顕著だったのが刃長100ミリのハイス工具を使ったエンドミル加工。オークマのBT50で試したが、従来ツーリングだと、下がたわんで、切粉もイマイチだったが、スーパーG1チャックでは、薄い切り込みでもしっかりと削れており、上下の寸法も、+-100分の1以内に収まった」ばかりか「仕上げ工程では、30%程度の加工時間の短縮をもたらした」と言う。
 現状では、ハイスのエンドミルに限定して活用している。
 「今後、ツーリングの強化を考えたときは、ユキワ精工さんのスーパーG1チャック一択になるかと思う。5時間、6時間と長時間の加工で工具にどのような影響が出てくるか。製品精度の改善とともに期待している。特に、弊社では、突き出しの長い加工が多いので、スーパーG1チャックの把握力に優位性を見出していければと思う」。


工場内の様子