「三つ爪も、コレットも」チャックひとつで自在に切り替えできるハイブリッドチャックを提案した松本機械工業 商社とのコラボ追求で、幅広いユーザーとの関りを強化

松本機械工業株式会社

松本機械工業株式会社

取材に対応頂いた松本社長

メカトロテックの松本機械工業ブースに松本社長を訪ね、展示会活用の目的をはじめ、新製品として、リリースしたハイブリッドチャックの効用やジェイテクトとのコラボレーション展示などについて取材を行った。


 人手不足は、根本的な問題として、生産財業界に対しても提起されている。
 松本社長は「特に中小企業にとって、人手不足は、深刻の度が深まってきており、当社では、一品流しからの生産、変種変量時代への対応にフォーカスした取り組みを展開している。従来は、工作機械との繋がりを中心に事業を展開してきたが、今後は一般ユーザーとの関りを強化していく考えで、商社とのコラボレーションも追求していきたいと思う」と語りつつ「メカトロテックでは、さらなる開発テーマを設定していくための情報収集の機会としても活かしていきたい」と、展示会活用のメリットを訴えた。
 今回のメカトロテックでのポイントのひとつは、デモを通じた新製品のハイブリッドチャックの訴求にある。
 「三つ爪も、コレットも、ロボットを活用して、このハイブリッドチャックひとつで自在に切り替えが行える。従来、コレットを使ったバー材加工を行うには、チャック本体の交換が必要だったが、お使いの三つ爪チャックをベースに、専用の爪をハイブリッドチャックに挿入するだけで、コレットチャックとしても使用可能になる」と解説。バー材加工における段取り時間を不要とし、追加コストもかけずに済む。
 「また、コレット内にストッパーを設けることで、カット材にも対応。ミーリング工具の寄り付きも良くなり、専用コレットの製作も不要となる」効用も訴える。
 爪交換を含む丸材、小径材料、長尺ものをハイブリッドチャック1台で対応を可能にするが、ハイブリッドチャックのデモで評価されるのが「ロボット力覚センサーを使用せずとも、コレットをチャックに取り付けたり、小径のワークをチャッキングできる、ロボットに対する高精度なティーチング技術を駆使できるSierとしての力量」だ。
 ターゲットは、自動車部品の細いシャフト加工、医療機器の長尺ワーク加工、小径のシャフト加工やパイプ類の加工などが挙げられた。
 また、ジェイテクトとのコラボレーションも実施され、円筒研削盤G1シリーズに、松本機械工業のケレ自動交換システム「Smart Terrace AIO‐S」を組み合わせた研削の自動化をアピール。併せて披露された、ロボットハンドに計測装置を設けたワークの多点計測にも、高い関心が寄せられた。
 このほか、旋削加工の自動化に特化した周辺機器では、CAPTOツール変換、AJCによるプレート交換でチャックの爪同時交換などの提案も行われた。
 最後に松本社長は「自動化のシステムはオーダーメイドであり、それに相応しい周辺機器の進展も同時に伴ってくる。今後ともSier同士の繋がりを大切にしていきたい」と結んだ。


ハイブリッドチャックの実演には、多数の意見が寄せられた